コンサルタント(設計監理者)が工事業者に求めるものは、リベートに限りません。金銭は受け取らなくても、意中の業者に受注を誘導するコンサルタント(設計監理者)も多く存在します。これはどういうことかというと、リベートの代わりに、意中の業者に数量積算や設計図書、仕様書といったものを作成させるという「役務供与」を求めることで見返りを得ているのです。
たとえば、数量積算というのは、工事費の見積額を算出するのに非常に重要な作業になります。そのマンションの大規模修繕工事を行うのに、塗装は何㎡必要か、防水は何㎡必要か、シーリングは何mになるか、使用しているタイルは何枚か、というように、建物に関する数値を事細かに拾っていくわけです。これらの数値を出すことは非常に大変な作業で、100戸のマンションなら、3~4人がかりで取り組んでも2週間はかかってしまい、積算事務所に依頼をすれば、50万円程度のコストがかかります。そのような緻密で大変な作業を、コンサルタント(設計監理者)は役務供与として業者に求めるわけです。
私からすれば、リベートを受け取るのも、役務供与を求めるのも同じことです。発注者である管理組合に対して「不誠実である」という点では変わらないからです。
残念ながら、現在の大規模修繕工事の世界において、コンサルタント(設計監理者)はリベートや役務供与を求めるところばかりだといえます。そして、そのリベートや役務供与を確実に受け取るために、見積り参加条件の設定が欠かせないわけなのです。
また、こうしたコンサルタント(設計監理者)が作り上げた設計仕様書は注意が必要です。それらの設計仕様書を見ると、材料や工法がメーカーを指定したスペックになっているものが多いのですが、これは特定のメーカーの特定の材料、特定の工法でしか行えない、という意味です。こうすることで、メーカーやその代理店からもリベートや役務供与を受け取ることができるのです。
つまり、工事業者の他にも、メーカーや代理店の双方から、リベートや役務供与を得ているというコンサルタント(設計監理者)が少なくないのです。なんともひどい話としかいいようがありません。