クリストファー・ノーランが1998年に発表
した長編デビュー作が、デジタルリマスター
され配信系に上がって来ました。古いDVDは
持ってますが塩梅はどうだろう、、、
モノクロ構成で4:3の画角、フィルム上映
で見ると淡く遠い記憶の様な雰囲気を醸し出して
おりましたが処理具合はどんなもんでしょう?
お話は作家志望無職のビルが興味と小説のネタ
の為に、無作為に興味が湧いた人間を男女問わず
尾行し観察するという悪趣味に興じておりました。
ところが尾行したコッブという男に気付かれ、
ビル同様に住居に不法侵入する事を趣味として
いる彼と行動を共にする事になります。
そして、とある侵入先にあった写真の女性に
興味を抱き近付いていくと事態が変化します。
お得意の時間軸を交差させる編集方法は、
この当時からも伝家の宝刀の如く強烈に
作用していますが”メメント”程ではありません。
3つの時間の流れが行ったり来たりして、
結果的にこうなった経緯が纏わりついて来る
やや面倒くさい構成なんですが、単純に
経過を見せるだけでは面白くも可笑しくも
無いので一応の緊張感を生み出す事に成功
していると言えます。
ただし途中迄は結構面白いんですが、
コッブの仕掛けがバレて来ると余り
興味深い展開にはなりませんでした。
取り合えず、ノーラン節はこの当時からか!
的な乗りで渋く見て貰えればと思います。