ある男 | Sound@Cinema

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映画の音響技術評価などをプロ目線で、車系もたまにw
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”蜜蜂と遠雷“以来の石川慶作品。

 

昨年の日本アカデミーを総ナメしたので、

松竹臭を嫌って見てませんでしたが(笑)

ボチボチっと配信に上がって来たので

鑑賞させて頂きました。

 

 

 

 

平野啓一郎の原作からの映像化です。

 

窪田正孝演ずる”谷口”と名乗る男が

宮崎の片田舎に現れ、里枝(安藤サクラ)

と所帯を持ち、一女が生まれ一家4人で

幸せに暮らしていた。

 

 

 

 

しかし谷口は事故死してしまい、法要で

彼の兄がお線香を上げに来ると仏壇の

写真を見て、「弟では無い」と言い出す。

 

途方に暮れた里枝は、離婚調停で世話に

なった弁護士の城戸(妻夫木聡)に調査

を依頼すると意外な過去が明らかになってくる。

 

 

 

 

大まかにこんな流れです。

 

 

 

 

映画冒頭にはルネ・マグリットの”複製禁止”

から始まります。鏡に向かっているはずなのに

背中が映り込むという奇妙なアングルです。

 

この暗示が凄く効くので、作品内の谷口の

立場がミステリー過ぎてホラー映画の様な

気分にすらなってしまいました(笑)

 

しかし根底に流れるのは極一般的に在る

社会的な問題に過ぎず、この抑えた切り口

をどう捉えるか?

 

試されている様にも見えたりします、

何とも不思議な手触りの作品でした。

 

兎に角、秀逸なのは窪田の芝居です。

何物でもない”X”を完璧に気配を殺した

上に、抱え込んだ闇迄も背中に背負って

いるのが見え隠れします。

 

実に申し訳無いのは、彼の印象がガチバン

やハイローに出演している程度でしか無く

ここ迄出来る俳優さんだとは思ってませんでした・・・

 

意外過ぎてびっくりしてしまいました。

 

ふぅ~、見終えて結構疲れました(汗)