羊飼いと屠殺者 | Sound@Cinema

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映画の音響技術評価などをプロ目線で、車系もたまにw
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おおっと!珍しい南アフリカ映画でした。

しかも大好きな法廷劇ともなれば観るしかありません。

 

お話はこうでした。

 

時は87年、ネルソン・マンデラが大統領になる前の

南アフリカで起こった殺人事件。17歳で刑務官になり

されるがままに処刑執行人を任ぜられた若者が、

仕事帰りの際に起こった軽い交通トラブルから、

相手方7人を銃殺してしまうという凄惨な事件が発生。

 

被告人は事件時の記憶が無く”動機不十分”なままで

裁判に突入するが、死刑制度に反対のリベラル派

弁護士が事件解明の謎に挑むという、実話ベースの

作品です。

 

もう最初から興味津々な訳ですが、そんな甘っちょろい

物語の進行ではありませんでした(涙)

 

心神喪失状態で、事件当時の記憶が飛んだ被告人

から、少しでも事情を聞き出す為に、彼の死刑執行人

という職に着目した弁護側が、彼の日々の仕事の

内容を裁判で質問すると、あり得ぬ程リアルな執行

シーンがフラッシュバックされます、、、

 

 

 

 

しかも当時の南アフリカは7人同時に、しかも連日の様に

処刑を同じ人達で行った居た様で、刑務官の精神状態が

壊れるのも無理は無いという描写の為に、恐怖感満載

な死刑執行シーンが延々と続きます。

 

これはかなりしんどく、お芝居とはいえ眼を塞ぎたくなる程

リアルに描かれています。

 

執行する側は皆白人で、処刑される側はほぼ黒人です。

そんな辛辣な内容が裁判の陳述構成で淡々と進んでいきます。

 

着目は、87年当時であるという事と、白人男性の元刑務官

目線で審理が続いていくので、本当はどの様な事情なのか?

真相は?公平感は?といったものは、あくまで白人側からの

視点に過ぎません。

 

それでも中々堪える内容ではありました。

 

真面目で見応えの作品には違いは無いんですが、

兎に角エグイんで、苦手な方は観ない方がいいです、、、