16世紀、スコットランドとイングランドの覇権を背景に
二人の女王が男性に翻弄されていく様が赤裸々に
描かれています。
まさに政治闘争の内容で、これみよがしドロドロです。
もうちょっと女性らしさが前面に出てフェミニズムでも
軽ーく塗してくれれば気持ちの良い仕上がりになった
とは思いますが、作劇では無く割と史実に忠実に
描いたようで、本当にドロッドロです。
二国が統合されて安定した政治になったのはこの後
なので当然と言えば当然なんでしょうが、そうあって
欲しいと自身を掛けて目論んでいったスコットランド
のメアリーは内紛で血に塗れていきます。
すべてが男絡みであり、男の嫉妬と女性に対する
偏見に満ちていた当時の様相を如実に再現しております。
なので余り気持ちの良い作品では無いのですが、
最後の最後には二人は分け隔てられていたが、
深い部分で繋がりを求めていた描写があります。
しかし断頭台とのシーンバックで時既に遅し・・・
冷酷な史実を描いたモノでした(涙)
21世紀になり女性がようやく均等に扱われる様になる
400年も前のお話なので、若い人が観たら男性の傲慢な
振る舞いとエリザベスの”男のなる”人生を選択した厳しさ
に目が丸くなるかもしれませんが、そういった意味では
貴重な作品かもしれません。