№25
日付:2024/6/16
タイトル:ミッシング
監督・脚本:吉田恵輔
劇場名:TOHOシネマズ小田原 SCREEN5
パンフレット:あり(\1,200)
評価:5

 

私的には「さんかく」「麦子さんと」「空白」に続く吉田恵輔監督作品。ヒトが共生する上での人間関係を、観ているこちらが生理的にイラっとするような生々しいタッチで描いてみせてくれる監督さん。

「空白」同様に、とある事件をモチーフとして当事者や関係者同士の衝突と慟哭を描き出す本作…の筈なのですが、今回全くと言ってよいほどに響いてこない。

一人娘を持つ父親である身の私にとって一番琴線に触れ易いテーマであるにもかかわらず、夫婦の必死さも、中村倫也演じるローカルTV局のディレクターの苦悩も、感情移入できないまま。どこかで一度は観たようなプロットの連続だからか。

 

過去の作品観賞時に気になった“落ち度”が見当たらない一方で、卒なく仕上げた本作に吉田恵輔の真骨頂を感じるシーンもまた見当たらなかった。なんで?あれあれ?どーして?ここまで心揺さぶられない事態に、逆に戸惑う。

沙織里が石原さとみさんじゃなかったら・・・このタラレバが無意味なのは承知の上ですが、功罪相半ば、石原さとみは石原さとみだった。

 

事実を超えられないフィクション劇は、登場人物が与えられた役回りを卒なく演じた結果、何の摩擦熱も生じないまま終わりを迎える。ありがちな、ほんの僅かな明日への薄明かりと共に。

吉田恵輔監督作品に期待(?)する気が滅入るような人間描写の妙味は、この作品からは感じ取る事が出来ず仕舞い。普通に観応えあるヒューマン・ドラマでした。

 

 

 

 

 

パンフレットはシナリオ掲載で96頁というボリューム

・イントロダクション
・ストーリー
・キャラクター相関図
・レビュー SYO(物書き)
・石原さとみインタビュー
・青木崇高インタビュー
・中村倫也インタビュー
・森優作インタビュー
・キャスト
・吉田監督インタビュー
・ワークショップとキャスト一覧
・ドキュメント 吉田
・ドキュメント 石原さとみ
・志田貴之(撮影)インタビュー
・スタッフ
・シナリオ決定稿
・クレジット

チラシ①

チラシ②