№43

日付:2023/12/8
タイトル:隣人X 疑惑の彼女
監督・脚本:熊澤尚人
劇場名:小田原コロナシネマワールド SCREEN7
パンフレット:あり(\850)
評価:5.5

 

おと・な・り」を観て以来、新作チェックを怠らない監督さんの1人、熊澤尚人監督の最新作。

ドッペルゲンガー現象・・・世の中には自分ソックリな人が3人はいるとよく言いますが、ただ似ているだけならともかく、私がもう一人存在するとなると話が違ってくる。

といった世界を描きながら、そこで生じる疑問や矛盾をほっぽらかして、文字通りの容疑者“Ⅹ”探しが幕を開ける。

 


最近のドラマを観ていて大事だなと思うのが、「その他大勢」の描き方。一人浮いてる主人公に冷ややかに接するクラスメイト、ご近所、マスコミ、メディアの情報に踊らされる人々、、、ここをステレオタイプにしか描けない作品は、ドラマ自体が薄っぺらなものになってしまう。

 

 

そもそも惑星難民Xとは、を冒頭で説明してくれるので、タイトルから想像していたSFミステリー/地球の危機といった展望は早々に消え失せる。何しろ相手にはかつて人造人間キカイダーに組み込まれていた、あの回路がDNAとして備わっているのだから心配無用。

 

たまたま“容疑者”候補とされた2人の女性の日常と“Ⅹ探し”騒動とを掛け合わせながら、人と人とが心を通わす上で大切な事は何なのか、ベタに教えてくれる本作。Ⅹの正体の意外な結末と共に。

熊澤監督作品の魅力は恋愛物でこそ発揮されていたのですが、今回SFテイストを加えつつも、いつもの土俵で勝負している作品なのだと気付いた。

 

地球上の紛争難民すらろくに受け入れていない日本ですが、こんな惑星難民だったら喜んで招待したいもんです。さすればいつの日か、地球上から争いがなくなる事でしょう。

 

 

 

 

パンフレット

・イントロダクション
・ストーリー
・上野樹里インタビュー
・林遣都インタビュー
・キャスト・プロフィール
・スタッフ・プロフィール
・原作者プロフィール&インタビュー
・他者として生きるすべての人へ キニマンス塚本ニキ(翻訳者・ラジオパーソナリティ)
・プロダクション・ノート
・クレジット