№43
日付:2022/12/29
タイトル:ミセス・ハリス、パリへ行く | MRS. HARRIS GOES TO PARIS
監督・共同脚本:Anthony Fabian
劇場名:あつぎのえいがかん kiki スクリーン1
パンフレット:あり(\880)
評価:5.5

 

ちょっとレトロなタイトルそのままに、1950年代終盤のロンドンとパリを舞台に英国人家政婦の身に起きるミラクルな出来事を描いたハートウォーミングなおとぎ話。

 

先の大戦で出征した夫の帰りを待ちながら、ロンドンで家政婦の仕事を続けるハリス夫人が魅せられた一着のドレス。

突如沸いた彼女の物欲は、今でいえば高級時計を所有したがる男の欲求に通じるところがあるような気もしますが、そんな彼女の一途な乙女心が、いつしか周囲の人間だけでなくファッション業界全体に革命をもたらしてゆく。

 

随分と都合よく進行する部分もあったりはしますが、ハリス夫人の身に順序良く巻き起こるラッキーとアンラッキーの配列が上手くて、彼女のささやかな幸せを願いながら、観客も一喜一憂させられる。

夫人が憧れるオートクチュールのドレスも本作の重要なアイテムですが、クリスチャン・ディオール全面協力に加えて「クルエラ」でもイカしたファッションの数々が印象的だったジェニー・ビーヴァンが衣装デザインを担当。本作でもその力を発揮してくれている。

原作者のポール・ギャリコは「ポセイドン・アドベンチャー」の原作者でもあるんだ。「ミセス・ハリス」シリーズは4部作で本作はその第1作目だそうです。製作にも関わったアンソニー・ファビン監督は国外では目立った実績はないものの、なかなか手堅い演出振り。

 

この手の作品が殊の外好物の私ですが、観終わってもう一つ幸福感に満たされなかったのは何故だろうと思ってしまった。あまりにも良く出来たお話過ぎるのが災いしているのかしら。

主人公のミセス・ハリスが日本の女優さんに似てる人いるなぁと、誰だっけと、観ている最中気になっていたのですが、あ、宮本信子さんその人だと。そして日本でも人気が出そうな美人モデル、ナターシャ役のアルバ・バチスタは広瀬アリスさん。その他の登場人物含め、女性陣が主役の小粋な作品でした。

 

 

 

 

 

 

 

パンフレットは小振りでも880円

チラシ