週刊金曜日 2020年6月26日号より 難民を追いつめる日本の入管制度⑦ | パキスタン人旦那と共に歩む人生

パキスタン人旦那と共に歩む人生

主に在日パキスタン人を観察しています。

入管で繰り返される非人道的な暴力行為(樫田秀樹)の続きより。

 

衝撃的な暴力シーンが拡散

 

 こうした暴力を可視化する契機になったのが、昨年12月19日に公開された入管職員による暴力シーンを写した衝撃的な映像だ。

 

 映像では、トルコ国籍クルド人男性のデニズさんを6、7人の入管職員が床にうつ伏せに組み伏せ、後ろ手にした両手に「ワッパかけろ」と手錠をかけ、両足を押さえ、首も羽交い絞めで固定する。

呼吸を妨げるように口を押さえ、喉を親指で押す。腕をねじ上げる。

デニズさんは何度も「痛い!痛い!!」「殺さないで」と叫ぶが、制圧は続いた。まるで“ヤクザ映画”の暴力シーンだが、入管職員が、「職務」として行なった暴力行為だ。

 

 この暴力が起きたのは、昨年1月18日夜。

茨城県牛久市の収容施設「東日本入国管理センター(牛久入管)」に収容されていたデニズさんは寝付けず、居室からインターホンで職員に常備薬の精神安定剤を求めた。

だが職員は「入管の診察室が処方した薬があるはず」と拒否。以前、その処方薬で体調不良を招いたデニズさんは、職員に「あれは合わない。常備薬を出して」と声を上げ、居室のドアを叩いた(入管側は「蹴った」と記録)。

 

 すると、6、7人の入管職員が「生活指導のため」に居室に入り、その体を拘束。「処遇室」に連行され、前述のような行為が始まった。

デニズさんは「薬を飲みたいだけ。なんでこんな暴力使うの!」と必死に訴えたが、その後、隔離室に移され、そこで5日間過ごした。

 

 デニズさんは1月21日、「不服申出書」を牛久入管に提出し、2月4日、入管側は「判定書」に「理由あり」と記載した。暴力行為を認めたということだが、どういう暴力行為を認めたのかは書かれていなかった。

そこでデニズさんは8月10日、国家賠償請求訴訟を提起。代理人の大橋毅(おおはしたけし)弁護士が牛久入管に、制圧時に職務として撮影した映像の提供を裁判資料として求めたところ、入管は約35分間の映像を提出した。前述の暴力シーンは、その映像の一部だ。

 

 

 裁判は現在までに2回の口頭弁論が行なわれたが(デニズさんは収容中で出廷していない)、初回の12月19日、裁判後に大橋弁護士が開催した集会で、初めてメディア記者たちは映像を目の当たりにした。その衝撃的な内容に、同日夜には、共同通信が短く編集した映像をネット配信。

映像はネットを中心に拡散され、翌日、それを見たデニズさんの妻Hさん(日本人)から筆者に電話が入った。

「事件後、彼から「ひどい目に遭った」との電話はあったけど、その映像は私の想像を超えていて、体が震え一睡もできませんでした」

 

 牛久入管は裁判の中で、「(事件は)不当行為ではあるが、違法行為ではない」との見解を示した。

違法行為かどうかは裁判所が判断するが、デニズさんは今年3月24日に仮放免されたので、今後の口頭弁論で意見陳述すると思われる。

 

かしだ ひでき・ジャーナリスト。

 

以上、終わり。

 

問題の動画 ↓

入管収容者制圧の映像公開「痛い」叫ぶクルド人

 

 

*****

「殺される」・・・相変わらず、演技が入っていてあきれてしまった。

牛久入管で職員により行なわれた暴力、人権侵害そうだ。

トルコで迫害されていたはずなのに、今更、日本の入管に「殺される」「暴力振るう」と主張するなんて、とても修羅場をくぐってきた人間とは思えない。

 

入管から提出された映像は35分だという話だが、上記の共同通信により短く編集された動画の映像は、1分くらいだろうか?

この動画の重要と思われる箇所を何度か見たが、呼吸を妨げるように口を押えたと言われる映像は、職員が顎の部分を押さえて、口を開けさせようとしているように見える。

また、喉を親指で押したという映像は、このクルド人があらかじめ処方されていた薬を過剰摂取したか、何か異物を無理に飲み込んだかして、完全に飲みこまないように阻止しようとしたか、吐き出させようとしているのではないかと思った。

事前に入管の診察室で、診察してもらい、症状にあった薬を処方されていたと思うが、夜になり、あの薬は合わない、他の薬をよこせと要求する方が横暴ではないか?

勝手に薬を判断するお前は医者か?

呼びつけられた入管職員は、お前の奴隷か?

 

日本で殺されると騒いでいないで、いっそクルド民族の誇りをかけて、トルコ政府に「差別」だの「人権侵害」だの、同じムスリム同士イスラーム共同体ではないかと訴えたらどうだろう?

もっとも迫害されていた設定なのに、わざわざ日本に来て、薬ごときで、殺される、暴力、人権侵害だと騒ぐぐらいだから、トルコ政府に訴えることすらできなかったのだろう。

 

クルド人は世俗的なムスリムだというが、彼らが他のイスラム国家へ行かないのは、イスラム国家も彼らの行ないがいちいち大袈裟で、ドラマ仕立てで、時に嘘だったり、信用できないからと受け入れを拒まれる可能性が高いのを理解していて、差別や人権と言えば同情されやすい日本に来るのだろう。


アラブ首長国連邦は、パキスタン人労働者が多く出稼ぎに行っているが、彼らはアラブにどう貢献しようが、出稼ぎ労働者の外国人扱いのままだと言う。

イスラム国家やムスリム同士の方が、一番、ムスリムの扱いをよく知っているのかも知れない。