1982年の欧州ロードレース選手名鑑 | CICLI LA BELLEZZAのブログ

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愛するヴィンテージ自転車たちとの生活

今回は、1982年の欧州ロードレース選手名鑑をご紹介したいと思います。これは私がこの年、初めてツール・ド・フランスを観戦に行った時に買って来たものです。

 

表紙の写真はベルナール・イノー、ヨープ・ズートメルク、ステファン・ロッシュの3人です。

当時はイノーの全盛期で、この年は彼の4度目のツール優勝の年に当たります。クープ・メルシェチームのベテラン、ズートメルクは80年に念願のツール優勝を果たしたばかり。ロッシュは80年代から90年代に活躍した名選手ですが、この頃は新進気鋭の若手として売り出し中でした。現在ロードレース界で活躍中のニコラス・ロッシュ選手は彼の息子ですね。

 

表紙を開くと、まずサンプレックスの広告が出てきます。

この年は、プジョー、モトベカン、メルシェなど、6チームがサンプレのコンポを採用したと書いてあります。意外に多いですね。写真に載っているのは最高級のスーパーLJシリーズで、リアメカは縦型と横型があり、ネームプレートもサンプレックス、スピーデル、ジピエンメの3種類あったようです。このあたり、時代の過渡期の姿を感じますね。

そういえば、ツールで見たモトベカンチームの自転車には、縦型のメカのものと横型のメカのものが両方あったのを思い出しました。

 

最初に載っているのは各チームの写真とメンバー表です。

上の写真はラルドゥート・モトベカンチーム、下の写真はプジョーチームですね。プジョーチームの写真は背景に凱旋門が映っているので、パリのグランダルメ通りにあったプジョーの店の前で撮ったものでしょう。中央で自転車に乗っているのはデュクロラサール、ベルノドー、アンダーソン、ロッシュの4人です。ベルノドーは最近までヨーロップカーチームのGMをしていたので、ご存知の方も多いかもしれません。

 

左ページがルノー・エルフ・ジタンチームです。

エースのイノーを中央に、後ろには若いフィニョンやレモンの顔が見えます。このイノーのポーズがかっこよくて、私はよく真似をして写真を撮りました。

 

右ページが当時最強と言われたTIラーレーチームです。 

赤と黄色のジャージでおなじみですね。クネットマン、ラース、ヴァン・デ・ヴェルデなどが在籍していました。

 

左ページは、イタリアのデルトンゴ・コルナゴチームに在籍していたサローニ三兄弟です。中央が、フランチェスコ・モゼールと共に80年代のイタリアを代表する名選手ジュゼッペ・サローニですね。

私はコルナゴというと、この時の赤いコルナゴが頭に浮かんできます。

 

チーム紹介の後には主要選手の名鑑が続きます。

右ページの上の写真は83、84年のツールを連覇するローラン・フィニョンですが、この頃はまだ少年の面影が残っています。

 

82年のツールのコース図。創始者アンリ・デグランジェのイニシャルを使ったロゴマークが懐かしいですね。

 

レース・スケジュールのカレンダーも載っています。

 

当時は、主要レースでの成績をポイント化して年間優秀選手を表彰するスーパー・プレスティージという制度がありました。現在のUCIワールドカップの前身ですね。81年の年間最優秀選手にはイノーが輝いてます。

 

最後に81年シーズンのトピックスが月毎に紹介されています。

左ページの写真は若手のフィル・アンダーソン。彼はこの年のツールで、オーストラリア人として初めてマイヨ・ジョーヌを着るなど大活躍しました。

右ページの写真は、ツールでステージ優勝を目前にしたデュクロラサール(右)の右足がトークリップからはずれてしまい、ゴール直前で痛恨の逆転負けを喫したシーン。現在では考えられないアクシデントです。

 

81年8月の世界選手権で優勝したのはベルギーのフレディ・マルテンス(左)。2位はイノー(中央)、3位はサローニ(右)でした。時代を感じる顔ぶれです。

 

眺めているうちにどんどん記憶がよみがえってきて、話が長くなってしまいました。もう40年近く前ですが、ついこの間のことのように感じます。