この春、社員たちの大量辞職があったりしてバタついていたアールの職場。
ただでさえ、これまでもオフィスでの労働時間が長かったのに、更に、無駄に拘束時間が増えたらしい。
元々、出社時間に関わらず、かなりの早起きサンであるアール。
休みの日でも、早朝に「Ohayo」とLINEが来る。
私が子どもを学校に送り出したあと出勤準備を終わらせて、ホッと一息つく朝のお茶＆手帳タイムと、
カレが家事や出勤準備を終わらせて、最後にシャワーを浴びる前の、ちょっとゆっくりする時間がいつも大体一緒で
その時間にチャットや、時々はビデオコールをしていた私たち。
しかし、先月から、そのひとときが突然無くなった。
最後にデートした時に、大量辞職の話を聞いていたし、「朝の出勤時間が最近早い」とボヤいていたから、そのせいだろうなとは推測していたが、カレからの明確な説明はなかった。
社員の大量辞職により、
時々、出勤が早い日があるのか
それとも、毎日、出勤が早くなったのか
そしてそれは、今後ずっと続くのか
新しい人が入れば、元の出勤時間に戻るのか…、
そういった細かいことが、ハッキリとわからない。
日々のテキストのやりとりで、私が日本語、カレが英語でのやりとりで、たいていの会話は事足りるが
やはり時々、質問をしても、返答が噛みあっておらず、
聞き方を変えても、やはりちょっとずれた返答だったり、
カレお得意の既読スルーが発動されたりで…
謎が謎のまま、ということもよくある。
（既読スルーの理由は、「日本語の意味がわからない時に、なんと返していいかわからない時がある」と、この前のデートで言っていた。
「わからないのなら、〝この文がわからない〟と教えてほしい。別の言い方を試すから」と話した。すると、「それ、いいね。うん、それがいい。」と、私がまるですごい発明をしたかのように、驚いた顔をして同意してくれた。）
朝のチャットがなくなった上に一ヶ月以上もビデオコールがなかったので、推測を総動員させて
「きっと、出勤時間は、もうずっと早いのだろうな」
と勝手に理解した。
それを、改めて聞いて確認したら、やはり一ヶ月以上、出勤時間が30分早くなっているということだった。
私が最初にそれを訊ねた時には、まだカレも今後どうなるのか、よくわかっていなかったのかもしれない。
そういう、まだ不確定要素があって状況がはっきりわからない時は
すべて
「わからない」
の一言なので
もう、それは
「気にしない」
しかないのである。
謎のままでも気にしない。
いずれ、わかる時がくるのだから、今は、気にしない。
できる時は電話するのだ。
電話がないのは、〝出来ないから〟なのである。
今までの私のように、それをいちいち
「誰か他の人とチャットしているの？」
とか
「もう私に興味が無くなったの？」
とネガティブなことを考えていたら
アールとは百回、いや千回くらい喧嘩したり別れたりしなければならないだろう。
私もアールも、口論や喧嘩を嫌い
相手を尊重することを最も重要視し
お互いに刺激よりも穏やかな安心を求める性格であるから
とにかく信じて、気にしない
これしかないのだと、悟るのである。
そして、アールは、それを実践している人なのだと理解した。
カレが私を恋人と認定してから、カレは一貫して私のことを信じている。
私を信じて、私の判断を尊重して、いちいち細かいことを気にしていない。
それを無関心だと感じればつらいことこの上ないが、
カレ独特の愛と信頼のカタチなのだと思えば、これまでの言動全てがつながって、理解できてくるのである。
