「パラサイト」の美少女チョ・ジソ主演と聞いたので…ホラーかと思いましたが美熟女美少女が乱舞するゾンビ・アクションの名作でした…「呪呪呪 死者をあやつるもの」

 

三日月の夜。男が部屋に帰ってくると明かりが点かず、ふと見ると窓が開いている。その時後ろからフード男が襲い掛かってくる。格闘しながら男は警察にダイヤルするが、フード男は男の首に咬みつき男は絶命する。しかし、フード男も見る見るひび割れ崩れていき、跪(ひざまず)いて動かなくなる。警察はこの事件で大騒ぎだ。犯人のフード男は3か月前に死んだ男なのだ。広捜隊(クァンスデ)チーム長ソンジュンは嫌な予感に襲われる。ソンジュンの妻イム・ジニはラジオ局でインタビューを受けている。記者として過去に扱った奇異な事件を「嫌悪と呪術」という本にまとめたのだ。その時ジニを名指しでリスナーから電話が入る。男は「死体が殺人を冒した事件の真犯人だ。生放送でインタビューして欲しい」と言う。刑事の夫ソンジュンは危険だと止めるが聞くようなジニではない。約束のホテルに入るとやがてパク・ヨンホという男が現れる。男は「死体を作って操った。これから2日毎の午後2時にスンイル製薬の専務、常務、会長を順に殺す」と言う。男はジニを人質に取りその場を逃げ出そうとするが、警官に取り囲まれると、やはりひび割れ崩れ跪いて動かなくなる。彼も死体だったのだ。こうして、やがてジニが行方を探していた若き謗法(ほうぼう)師ソジンをも巻き込んで、死体を操る黒幕との凄絶な戦いが始まるのだ。

 

独立系ニュースチャンネル「都市探偵」共同代表イム・ジニに、とてもそう見えませんが50代も半ばなので美熟女と呼んでしまいましょう演技幅の実に広い美形オム・ジウォン、若き謗法師ペク・ソジンに、「パラサイト」裕福女子高生役で注目の美少女チョン・ジソ、イム・ジニの夫でソウル警察広域捜査隊チーム長チョン・ソンジュンに、誠実な感じが心地よいチョン・ムンソン、元刑事で「都市探偵」共同経営者キム・ピルソンに、韓国映画界が誇るコメディアンのキム・イングォン、民俗学教授タク・チョンフンに、いつも笑えるコ・ギュピル、スンイル製薬専務イ・サンインに、『冬ソナ』からずっとファンの演技派クォン・ヘヒョ、スンイル製薬会長ピョン・スンイルに、韓国映画界の重鎮チョン・ググァン、その娘で常務ピョン・ミヨンに、レースクイーン出身妖艶タイプのオ・ユナ、「都市探偵」の新入りジェシー・ジョンに、五つ星「雨とあなたの物語」イ・ソル。特別出演では、スンイル製薬研究員パク・ヨンホに、「三姉妹」など実に巧いチョ・ハンチョル。

 

ご存じの方も多いでしょうが本作はtvN制作月火ドラマ『謗法~運命を変える方法~』の後日談的なスピンオフドラマで、映画を観終わって慌てて第1話を観てしまった、くらい”波長”の合う作品です。とはいってもこの”波長”は血まみれ殺戮とかいった特異な分野のものだと思われますので真似はしない方が良いと思われます。ちなみに、”謗法(ほうぼう)”は、TVドラマから引き継いだ人を呪い殺す能力で、映画原題の”在此矣(チェチャウィ)"は恐らく映画オリジナルの作り出され操られるゾンビ遺体のことのようです。とにかくそのダイナミックなゾンビ造型は圧巻で、特に予告殺人1件目は凄まじく、詳しくは書きませんが、そのゾンビの攻撃は口あんぐりのど迫力だ、とはいえるでしょう。ちなみにドラマ第1話もケーブル系だけあって放送コードお構いなしの血みどろ殺戮・拷問、法治主義・人権主義無視のやりたい放題、と凄まじいレベルだったりします。そして女優が良い。多分ドラマ同様、無鉄砲な美熟女オム・ジウォンと神秘的な美少女謗法師チョン・ジソのビジュアルや激しいアクションが実に物語を輝かせているといえるでしょう。個人的には、新人記者を演じるイ・ソルがお気に入りです。

 

原作TVドラマを観た人なら、悪霊側は一新されてますが追う側はほぼ同一メンバーなので懐かしく安心して観られるでしょうし、観ていない人でも存分に楽しめる残酷な様式美に溢れたゾンビ・アクションの秀作だと思います。あくまで、特定の”波長”お持ちの方限定ですので、お間違いなきよう…

 

最初のインタビューで使われるアルファベット”C”字形が印象的な建物ですが、忠清北道ジェチョン(堤川)市チョンプン(清風)リゾートのヒルハウスというホテルです。洒落てます。