こんばんは、押田です。ブログの更新が1ヶ月も滞ってしまいました。
最近は、街路樹の問題や造園連の講習会等の活動が多くなっていましたが、庭づくりもやっております!
施工前というより、まだ建物も出来ていない状態の写真。
坂戸市K宅の近く(車で3分くらい)には、高田造園設計事務所さんの施工物件(M医者)があります。
Kさんは、その物件の雑木植栽の素晴らしさに魅了され、私のところに早くから連絡をしてくださいました。
最初に訪れたのが、昨年の6月。
まだ、地鎮祭が終わったばかりのK宅です。
建物が出来始めました。
中はまだまだ建築中です。
建物の中から外を見たり、どのような庭がよいのか、打ち合わせを重ねました。
雑木に合うなぁ~という印象の建物です。
軽井沢の別荘のような雰囲気にできれば、ということで、
年が明けて、2月から植栽工事を開始しました。
しかし、エントランス付近や数箇所に水が溜まるような状況。
何度か伺った時も、水はけが悪いなぁ~という印象。
またしても植栽の前に矢野智徳さん流の水脈改善をしなくてはいけません。
2mくらい掘ったところで、土の層が変わりました。
水の抜ける層に到達したようです。
地下に空気と水が抜けるように、下まで竹筒を入れます。
竹炭、バーク堆肥などを既存の土壌と混ぜ込み、土壌を改善していきます。
家の前の土は、工事の影響で、かなり締め固まっていました。
水が溜まってしまう原因は穴を掘ってみるとよくわかります。
今回は重機がフルに使える状態だったので、作業はスムーズでした。
これが手作業となると・・
想像しただけで、汗がでます。
植栽するところに穴を掘っては炭、堆肥、枯れ枝などを混ぜ込みます。
植栽する穴だけ掘れば、どんどん作業は進みますが、
後の樹木の成長を考えると、手を抜けません。
植物の生育にとって、空気と水の流れはとても重要です。
樹木の一番大事な根の部分に、新鮮な空気と水を常に送り込んでいく。
健全な森の中では当たり前に行われていることが、人間が与える何らかの原因により、滞ってしまう。
そんなために樹木は生育不良を起こします。
庭づくりは植えた直後が完成ではありません。
数年かけて、木々を健全に生育させ、風景と環境を作り上げていくものです。
水脈、気脈の重要性を知ってしまったからには、一見無駄とも思えるこのような作業ですが、やらずに見過ごす訳にはいられません。
一般的に行われている土木工事では、この上に採石を敷きますが、砕石だけでなく、この現場で発生した石、砂利、土、玉石などと木の枯れ枝も一緒に混ぜ込むのが矢野智徳流です。
有機物と無機物との程良いバランス。
砕石だけでなく土があることで、木々の根が侵入し、木の生育にも支障がありません。
また、植栽地全体の空気と水が、下流方向に流れ、引っ張られることにより、排水を促していきます。
しかし固く締まった土では、排水も良好ではありません。
雨が降っても、樹木の根鉢の下まで水が浸透しにくく、水が外に流れてしまったり、水が溜まってしまいます。
健全な木々や土壌があるということは、大雨が降っても土砂を流すことなく、雨を大量に吸い込むことができます。
昨今、山間部で起きている土砂崩れや、都市における大水は、すべてこの水脈や気脈が健全でないことが原因です。
コンクリートで山際の土砂を止めようと思っても、自然の力には到底及びません。
また、健全な緑地の面積が少ない都市においては、ゲリラ豪雨のような大水を地中に浸透させる能力はありません。
単純に庭に木を植える作業でも、矢野智徳さんの水脈気脈の考え方を知ってからは、いたずらに木を植えることができなくなってしまいました。やはり植えるからには土壌環境をしっかりと整えてから植えてあげたい。
私は木を植えることは自然環境、住環境を良くしていくことだと考えています。
そして、住環境を良くしていくことの一番のポイントは「コナラを植えること」でしょうか。
現在の造園業界は、かなりの「雑木ブーム」です。
私も様々なところで雑木の名前を聞くようになりました。
しかし、雑木、雑木と言っても、雑木の庭には「コナラ」が不可欠だと思います。
雑木林や里山の森に行くと、一番大きな木がコナラやクヌギです。
そして、コナラの木の下に、アオハダ、エゴノキ、アカシデ、モミジ、アオダモなど、いわゆる現在人気の雑木たちが生育しています。
山採りのアオダモやモミジが市場にも多く出回っていますが、これをいきなり直射日光の当たるところに植えてしまえば、おそらく樹勢を落とすか、枯れてしまうでしょう。
埼玉の暑い気候下で植栽するのであれば、やはりコナラの木の下、半日陰くらいの条件でこそ、健全に成育できます。
コナラがあってこその雑木の庭なのですが、コナラの一番の問題点は、大きくなりすぎるということです。
私も、自分の会社の庭に植えてあるコナラは、高さが7~8m。まだまだ伸ばそうと思いますが、一般的なお客さんからすると、規格外の大きさはなかなか理解されにくいところです。
という感じでしたが、最終的には樹高の低めのコナラを植えることに納得してもらいました。
樹高は5~6mほどありますが、実際に植えてみるとそれほど高さや圧迫感は感じないものです。
今後、成長していくコナラの高さをどのくらいにするか、お客さんと相談しながら維持管理をしていけばと思います。
私も今まで、庭をつくったお客さんに、雑木の庭の管理の仕方を聞かれることが多かったのですが、
このほど雑木の庭の管理マニュアルを製作しました。
全15ページの大作です!
水くれの仕方、剪定、草の管理、病虫害対策など、雑木の庭においての管理の仕方をまとめました。
これは以前に雑木の庭を施工させていただいた方、これから施工される方には無料でお配りします。
さて、話は戻りますが、木々の中を通り抜けるイメージで、木々を植え、アプローチを考えます。
植栽作業も進み、かなりの木々が植えられ、賑やかになってきました。
仕上げは今までは土を叩いていましたが、今回の工事から枯れ枝や落ち葉を仕上げ材として表土に敷き詰めることにしました。
土壌の乾燥を防ぐと共に、草の発生も減ること、また、これらの枯れ枝等が木々の栄養となることなど、様々な利点があります。
矢野智徳さんが自然農法で行っていたやり方です。
何か、雑木林の表土のようです。
中央園芸ではこれを、「雑木林風仕上げ」
と呼ぶことにしています。
さて、作業の途中、休憩時間はここの縁台でお茶を飲むのが恒例となりました。
夫婦で2人暮らしのK宅。
奥様は、群馬県長野原町の出身。
長野原というと、草津や軽井沢も近い。私もよく訪れたことがありますが、とても景色の良い所です。
幼い頃から木々の中で遊び、暮らす。
そんな環境で育った人は、大人になっても心の中に原風景として、大切に刻み込まれているのだと思います。
そんな思いを呼び起こされるのが、雑木の庭なのでしょうか。
シンプルに、木々とアプローチ、園路のみ。
余計な造作はしていません。
木で作られたシンプルな家に、雑木と園路。
何よりも木が主役です。
しっかりと土壌を改善した土地に早く木々が根付き、心地よい住まいと環境を作ってほしいと思います。
春はもうすぐ。新芽が出るのが楽しみです。
K様、ありがとうございました!











































































