9月の下旬、緊急事態宣言中ですが、講座のご案内を2ついたします。
1つ目は
昨年からお世話になっている、北鎌倉の東慶寺。
かつては縁切り寺ともいわれた、1285年創建の美しい禅寺です。
今まで縁のなかった鎌倉ですが、2年ほど前から大地の再生の現場で足を運ぶようになること10回以上。
家から高速を飛ばして2時間30分もかかる鎌倉に、なぜこんなに通うことになるのか?
講座の帰りの車の中では、よく思いました。
でもこれだけ全国的に自然災害が多い中、ハザードマップを見て、早く安全なところに逃げるだけでは何の解決もしません。
自然災害が起こるのにはそれなりの原因があり、それを解決する手立てもあるということを多くの方に知ってほしい、そんな気持ちを抱え、
ここ東慶寺へ通いました。
写真は、大地の再生講座の1回目。
呼吸を停滞させている、東慶寺境内のコンクリートを重機で壊しています。
実は自宅から数百メートルのところに鎌倉街道(上道)があります。
鎌倉から、町田、所沢、そして僕の住む寄居(用土)を通り、高崎を経て、碓氷峠を超えて、信濃へ向かう街道です。
今まで何も意識していなかった鎌倉街道でしたが、「いい国つくろう鎌倉幕府」の1192年以来、幕府のあった鎌倉と地方とを結ぶ、いわゆる800年の歴史がある幹線道路です。
当時はここから鎌倉まで歩いて行ったと考えると、、、
車で2時間半なんて、あっという間ですね。
昨年の6月、1回目の大地の再生講座の初日の朝方、境内裏手の大きなコナラが倒木しました。
台風でもない日になぜ、、、
鎌倉の自然が発するSOSのメッセージなのか、、とも捉えられました。
普通はこれを細かく伐採して、場外へ処分します。
このコナラをすべて撤去することは、大地や自然にとってインパクトが大きく、マイナスになると判断、
丸太で木組みをして、安定させました。
自然界にはゴミはありません。
全ては大地に還り、命の循環の元になっていきます。
そんな意識を住職さんとも共有しながら、
時間をかけながら大地に還すことで、周りの環境を育んでいこうという処置。
そんな工事も含め、今まで計7回、東慶寺で大地の再生講座を行ってきました。
そんな鎌倉から呼ばれている・・・
と思えば、これが僕にとっての「いざ鎌倉」なのだと。
東慶寺さんとも、とても縁を感じます。
今回の講座は、長年矢野さんがやりたかった、「流域参加型」の講座となります。
↓関連記事
矢野 智徳さん:あの人の“森”語り:あの人の森は?|私の森.jp 〜森と暮らしと心をつなぐ〜 (watashinomori.jp)
奥山や里山そして、海まで河川(水脈)は繋がっています。
流域ごとに自然生態系は成り立ち、人々の暮らしや文化は長く育まれてきました。
なので、上流域、中流域、下流域の人たちが連携して、自然を保全していく。
コロナ禍の中ですが、新しい「結い」の連携、よろしくお願いいたします!
今回の講座の東慶寺さんのブログ記事
講座の意義について、僕の文章も掲載させていただきました。
https://blog.tokeiji.com/information/daichisaiseikouza01
日時:9月26日(日)、27日(月)
講師;矢野智徳(杜の学校)
講座参加費 1日 5000円、鎌倉市民は3,000円
昼食(お弁当)別途1000円
8時受付開始
8時30分作業開始
17時頃終了予定
*宿泊希望の方は、寝袋持参にて場所を提供致します。
1泊2000円
お申込みは、下記お申し込みフォームよりお願いいたします。
https://docs.google.com/.../1FAIpQLScJXadBfJX13S.../viewform
続いて2つ目は、毎月28日に開催している、28会のご案内です。
先月は緊急事態宣言が発令されたため休会しましたが、今月は僕が改善している毛呂山のフィールドで行います。
僕の母親の実家が毛呂山町の権現堂という集落にあるのですが、2014年あたりから所有する山林の惨状を目の当たりにしました。
5ヘクタールほどあるヒノキの人工林は、下草が全く生えず、昼間も真っ暗な森。生き物の気配もありません。
これが50~60年前に国策として植えられた山林の現実です。
自然豊かな広葉樹林をわざわざ切り開き、子や孫のためと、皆が一斉にスギやヒノキを植林しました。
結果、山には餌がなく、里にイノシシが降りてきたり、
花粉症のもととなったり、と本当に今はどうしようもない状態です。
それを改善しようと、数年前から何度か環境改善のワークショップを行ってきました。
↑写真は、きらめ樹間伐の様子。
昨年夏からは、7回にわたりワークショップを開催してきました。
拠点となっているのは、以前は民宿だった「市川荘」。築100年以上の古民家です。
裏山を抱え、湧き水の湧く環境を保全しようと、整備も重ねています。
今回の28会は、そんな毛呂山のフィールドを歩いて見学(今回は作業はありません)していただきます。
以下、案内文章になります。
第36回28会のテーマは、「里山の荒廃と再生の手立てを考える」です。
全国各地で土砂災害が頻発し、美しかった里山は荒れ果て、獣害の被害も多く、過疎化が進んでいます。
もともと日本は国土の67%が森林という世界有数の森林国ですが、現状では使用木材の7割を輸入に頼るという世界第三位の木材輸入国になってしまいました。
今回の28会は、埼玉県地場の材木である西川材を産出する、埼玉県毛呂山町の権現堂集落で行います。
60年前に植樹されたヒノキの人工林と里山、そして背後に山を抱え、湧き水の湧く築100年の古民家 市川荘をフィールドに、土砂災害の原因と対策、人工林の活用方法、里山や民家の裏山の整備の仕方など、大地の再生の視点から、現場を解説しながら山を歩きます。
日時:9月28日(火)
14:30集合
14:45分山歩きスタート
講師:押田大助
株式会社中央園芸 代表取締役
大地の再生 関東甲信越
集合場所:毛呂山町権現堂1 の駐車場
参加費1500円
Cafe AGURAの軽食付き
定員:20名
コロナ禍のため、マスクの着用等
感染対策は各自お願いいたします。
また、一般の方でも参加できます。
*当日は、1時間程度山を歩きます。歩きやすい靴や服装でご参加くださいまた、実作業はしません。
また、携帯電話の繋がりにくい地域ですので、集合場所はあらかじめ調べ、時間厳守でお願いします。
少雨決行ですが、雨が強い場合は、市川荘にて座学講座を予定しております。
申し込み、問い合わせは、
info@chuou-engei.co.jp まで
締め切りは9月26日(日)
急なご案内となりますが、よろしくお願いいたします。
最後に、大地の再生講座を数年間撮影し続けた前田せつこさん、ついに「杜人」という映画が完成します。
クラウドファンディングも9月18日からはじまりましたので、こちらもご一読ください。