こんばんは、押田です。
梅雨が長引いたと思ったら、猛暑の日が続きます。
近頃の夏の暑さは、我々のような屋外で長く仕事をしてきた職人でさえも、耐え難いものがあります・・・。
昼間移動で車に乗っていても、外に出て遊んでいる子供なんて全くいません。
むしろ、外に出ては危険です!外出は控えて下さい!
なんて、1日中エアコンのお世話になっている人がほとんどかと思います。
しかしながら、我々は毎日炎天下の中で仕事をしている訳で、
たまにコンビニに行ったり、何かの会議で施設内に入ると、エアコンの効きすぎた室内は心地よいというよりは、寒くて不快に感じてしまう事がよくあります。
そんな日々の過酷な炎天下の現場の中でも、ふっと木陰に入った時に感じる涼しさの方が、エアコンの涼しさよりも心地よいと感じてしまうのは、木々を扱う者だからでしょうか。
いつも「もっと木々の力を活かせたら」と思う今日この頃です。
前置きが長くなりましたが、今年に入り大地の再生の活動と共に、弊社では個人邸や企業等の庭づくりの機会をたくさんいただき、ブログを更新する暇もないほどでした・・・。
紹介したい案件はたくさんあるのですが、今回は春から行った現場を3件ほどご紹介させていただきます。
まずは伊勢崎市の企業様のご依頼。
事務所の一角、社員(職人さん)の休憩所の造園のご依頼があり、先週末に完成しました。
こんな猛暑の中でも、この空間に入ると、ひんやりした空気が流れます。
外に目を向けると炎天下の灼熱地獄!この日の最高気温は36℃。
試しに、奥の「アスファルト舗装の歩道」、「白いタイルの上」、
そして休憩所の「ハナマサの(固まる土)洗い出しの上」の表面温度を計測してみました。
この休憩所の横(奥)のアスファルト舗装の表面温度は、
なんと60℃!まさに灼熱地獄!
白いタイルは47℃。
そして、この休憩所の中は、31℃。
とても涼しく感じます。
この休憩所は、事務所2階へ向かう階段の影になっている部分もありますが、コナラや常緑ヤマボウシ、アオダモ、モミジらのおかげで、直射日光を緩和し、木陰を作ってくれています。
木陰のありがたみを感じる休憩所になりました。
施工前の写真から、完成までをご紹介します。
施工前、ここにいくらベンチを置いても、何だか休まりませんね・・・
まずは雑然としている周囲の視線を防ぐため、1.7mほどのウッドフェンス(焼き板仕上げ)を外周に製作します。
所有する防火水槽は、丸竹や焼き板で囲い、周囲に馴染ませることにしました。
最後に木をたくさん植えて完成です!
中央園芸にしては珍しく?竹をあしらい、苔を張り、飛び石を打ち、和の空間を演出しました。
暑さに負けず、この休憩所を利用して頑張って欲しいと思います!
続いてこちらは、前橋に本社を持つ、立見建設(株)の高崎の住宅展示場(上毛新聞マイホームプラザ)。
今年の春、チームネットの甲斐徹郎先生のプロデュースの元、花音の堀さんの植栽担当として、高崎展示場のリ・ガーデンを行う事になりました。
ということで4月19日、
社員の方々も一緒に参加していただき、ワークショップ形式で植栽工事を行いました。
木を植えれば、落ち葉は落ちるし、毛虫はつくし、枝は伸びるし・・・
とにかく木を植える事は、面倒くさくて、煩わしいもの・・・
住宅メーカーの方々も木を植える事に抵抗がある方はとても多いと思います。
何のために木を植えるのか?
どうすれば害虫の発生が抑えられるのか?
簡単な剪定のやり方とコツは?
そんな煩わしさを一つ一つ解消するように、ワークショップを進めていきました。
エントランス前にある既存のモミジには、よく害虫の発生(アブラムシ、イラガ・・・)があったそう。
僕が考える対策としては、
モミジのそばには、直射日光を遮る高木樹木(コナラ)が必要だということ。
そして、植栽した後は、低木、下草などグランドカバーを植栽して、土をむき出しにしない事!
ということで、モミジの横にコナラを植える事に。社員の方々にも、実際に穴を掘ってもらいました。
しかしながら、穴を掘ってみると、土が固い!
これだけ固い土では、植物の生育も健全にはいきません。
しっかりと土をほぐし、土に空気を含ませ、その後に木を植えていきます。
木を植える事は、単なるデザインではありません。
木々の役割として、
地形を支え、土砂崩れを防いだり、
雨水を吸い、街の洪水を緩和したり、
さらには土中からの冷気を吸い上げ、地上の空気を冷却したり・・・と、
人々が心地よく暮らせる手助けを、何の見返りもなく淡々と行っています。
低木や下草しかなかった幅の狭い植栽枡にも、次々に木を植えてきます。
続いて前庭スペース。
リビングからの目隠しを兼ねて、角地には大きな常緑樹を植えていきます。
またまた、社員の方々に穴掘りをお願いしました~
角地には高さが5mほどのシラカシの株立ちを植栽。
施工前。
リビングから前庭の落葉時期の景色。
常緑樹がほとんどなく、冬枯れの時期は周囲の景色が気になりました。
そして、完成。
既存の樹木を生かしながらも、常緑樹(目隠し植栽)を中心とした配置。
元々あった、赤い葉のノムラモミジは向きを変えて、庭のアクセントに。
パーゴラも新設し、デッキの上は何とも心地よい空間になりました。
植栽工事が完成したあとは、甲斐先生の講義。
部屋に入った瞬間、デッキの木々や明らかに変わった心地よい風の動き。
植栽工事が完成し、社員の方々にも意識の変化が現れてきました。
こんな心地よいデッキでパーティーをしたい!お客様を迎え入れたい!
木々の役割や我々の理念を超越して、「楽しむ」ということに趣を置いた、甲斐先生のプロデュース。
管理のコツが分かれば、木々を植える事は大変なことではなく、お客様の生活のレベルを上げる事ができる。
そして、中途半端な安い物にはお客様の心は響かない。
本気でつくったり提案したものには、「高くても買いたい」という意識が働く。
そんな甲斐先生のお話しに僕も強く共感しました。
隣家の視線が気になり、毎日カーテンを閉め切ったまま生活をしている人は意外に多い。
木々を植える事で、隣地の視線を遮り、カーテンを開け、四季の変化を楽しむ生活が始まる。
つまり、生活が変わるのだ。
生活が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、人生も変わる!
プロのカメラマンさんからの写真。
エントランス付近。
心地よい風が通るようになった空間を社員自らが体感し、木々を植える事の素晴らしさをお客様にも伝えられるように。
甲斐先生のプロデュースはまだまだ続きます。
この展示場では、毎月行っている、花音の堀さんのワークショップもあります。
是非チェックしてみてください!
最後にもう1件、こちらも先日完成した、太田市のK邸をご紹介します。
今回は全て群馬県の物件でした。
建築は長野県に本社を持つ、アトリエDEF。
大きな平屋の建物に広い庭。
K邸は「大きな木はOK!」
という素晴らしいお客様でしたので、7m級のヤマボウシや8m級のコナラなど、弊社に所有しているとっておきの高木樹木を惜しみなく植え込みました。
庭の真ん中のコナラには、ブランコをつけます。
それから、
砂場をつくったり、
菜園をつくったり、
一般道路の脇、車寄せのところは有機アスファルト舗装をやったり、
草屋根の物置小屋をつくったりと、
僕自身も「こんな庭に住んでみたい!」と思えるような、楽しめる庭になりました。
完成写真がありますので、ご紹介いたします。
まずは、有機アスファルトの車寄せから門柱付近。
門柱を過ぎると、緑化ブロックと芝生の園路。
そして、薪棚から、玄関付近。
デッキ前はアトリエデフ特有の大きな庇(ひさし)と、多様な木々が心地良い空間をつくります。
草屋根の植物も生育は旺盛です!
ブランコがあって、砂場があって、菜園がある!
庭で遊べる要素をたくさん網羅した庭となりました。
庭の完成も間近、突然の雷雨(ゲリラ豪雨)・・・
我々の想像を超える雨が降る昨今では、こんな雨の状態の日も見ておかないといけません。
庭の中で水が溜ってしまう箇所を見極め、改めて修正しなおしました。
芝生地や前庭は、植物の根の力と縦横無尽に張り巡らされた水脈によって、雨が止めば水が溜る事はありませんでした。
有機アスファルトの車寄せも、大量の雨水をしっかりと地面に浸透させました。
ということで、今回のブログの最後の写真は弊社のモデル庭園。
8月5日の午後15時頃、
舗装道路は60℃近い表面温度を計測する中、弊社のモデルガーデンの園路は28℃!
この夏の猛暑とゲリラ豪雨、木々の力を有効に活かし、夏を乗り切っていきたいと思います!
では、最後に
社員募集のお知らせです。
この度、業務の拡大のため、一緒に働いてくれる仲間を募集いたします。
業務内容:
現場実作業(1名)、
設計、図面製作、PC作業等(1名)
弊社は、社会保険完備ですが、アルバイトやパートなど、勤務時間、労働形態についてはご相談ください。
年齢や性別は問いませんが、緑が大好きな方お待ちしております!
興味がある方は、メールにてご一報ください。
info@chuou-engei.co.jp 押田まで。