こんにちは、押田です。
4月28日、世界盆栽大会inさいたまスーパーアリーナ 開幕しました!
前日夜9時30分まで作庭準備に追われ、一時は「どうなることか?」と思いましたが、
何とか無事に作業は終わり、
第8回世界盆栽大会inさいたま いよいよ開幕です。
世界最高峰、最大規模の盆栽の展示会。
日本各地から樹齢数100年クラスの名のある盆栽が、最高のコンディションで集められ、観客を魅了しました。
開場前から入場券を求め長蛇の列が・・・という情報が流れ、
前日までの準備に追われていた気持ちから、ようやく、お客様を迎え入れる気持ちに切り替わりました。
メインステージでは、世界トップクラスの盆栽師によるデモンストレーションが行われ、会場は初日から異様な盛り上がり!
日本で「盆栽」というと、年寄りの趣味、盆栽いじり・・・
みたいなイメージがありますが、
現代の盆栽は世界へ飛び出し、「BONSAI」となり、
アメリカからアジア、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアまで、まさに世界中の盆栽ファンがここさいたまスーパーアリーナに集結、まさに4年に1度の盆栽業界のオリンピックのような状況でした。
しかも若い人が多い事!
世界中の盆栽愛好家が集まる中、さいたまスーパーアリーナのコミュニュティアリーナの一角、青々と木々の生い茂るコーナーが!
まさに「市中の山居」、我々の日本伝統文化おもてなしコーナーの呈茶席です!
前日の夜遅くまでの準備がうそのようですが、開場直後から、我々のつくった庭がお客さんで賑わい始めます。
大宮浦高会の運営する呈茶席。
来場者に抹茶と和菓子(500円)が振る舞われます。
25席のお茶席はお昼が近づくにつれ、会場を歩き疲れた人が次々に訪れ、席が埋まっていきました。
呈茶席は大盛況!
連日、行列のできるスペースとなりました。
今回のイベントは本当に準備に時間がかかりました。
しかしながら、しっかりとした良い準備が出来たことで、とても素晴らしい作品に仕上がりました。
手前の龍のような竹垣は、関東ブロックで制作した、「疾風垣(はやてがき)」。
植栽や地形に沿った竹垣の造形が見事、1本の竹を30~40等分に割いて作る、造園的手仕事の世界です。
「庭に吹き込む風の流れ」や、「山並みの景」をイメージしています。
来場者も「これは本物なのか?」、「すごい技術だ!」と感嘆の声が多く上がりました。
そして今回は、いくつかの新しいコラボが実現しました。
左の奥、障子塀に挟まれた、土塀の前のスペース。
当初は盆栽を飾る予定でしたが、思い切ってフラワーアレンジメント(疋田理沙さん)をお願いしました。
竹垣の和空間と、フラワーアレンジの競演です。
こちらは、苔を使った創作掛け軸。和紙を使い、デザインは市松模様。
青年部員の古屋さんの作品です。
そして全体の庭の構成は、茶事のできる茶庭です。
8m×20mという長方形のスペース。
奥に見える竹垣は、これも関東ブロックにお願いした、市松模様の涼雅垣。
創作灯篭に障子塀とモミジの植栽。
そして王道のつくばいは、京都龍安寺型の「吾唯足知」 われ ただ たるを しる 。
灯篭は「水蛍型」。
心地よい水音が会場に響きます。
つくばい周りの飛び石、苔もすべて本物です。
ここさいたまスーパーアリーナのコミュニュティアリーナは、お昼前後になると、太陽の光が降り注ぎます。
優しい木漏れ日が庭をさらに美しくします。
外廊下を繋ぐ、土橋と、相木石を使った流れの景色。
枯山水のの白砂の上、木々のシルエット・・・。
ここはさいたまスーパーアリーナなのか?
室内にいるとは思えないほどの幻想的空間になりました。
3日間この庭に一日中おりましたが、本当に飽きのこない、素晴らしい空間でした。
埼玉県支部青年部、頑張りました!自画自賛です。
そして、今回の庭園で一番注目を集めたのが、
竹籠のドーム型茶室です。
元々は、竹垣の材料が余り、今回設計を担当した稲田さんの即興のアイデア。
竹籠を編む要領からアレンジして、このような姿に!
これは好評でした。
大会2日目、埼玉県支部の役員さんもこの茶室を訪れました。
入り口は躙り口風に、少し狭くなっています。
茶道学会の方々が実際にお点前を披露します。
とても贅沢な空間です。
ここは人気のスペースとなり、
茶道初体験の若者や、
海外の方々、
こちらはハワイからのお客様。
海外の方は正座が苦手、でもそこは、「リラックス」で。
そして、それを写真に収める人たち。
2畳の小間はとても贅沢な空間になりました。
「至福の時間、本当に来てよかった!」
「鳥かごのような、かわいらしい空間、面白い!」
「衝撃的なデザイン、ニューヨークに持っていきたい!」
さいたまスーパーアリーナの一角に作られた、たった2畳の茶道の世界。
多くの方から、たくさんの称賛の声をいただきました!
そして今回は国際イベントといこともあり、本当に多くの海外の方々が訪れていました。
こちらはインドからのお客様。盆栽がとても好きだということです。
僕は英語は話せないので、通訳さんに後で聞きました。
こちらはロシアからのお客様。
庭園が素晴らしい!というお話でした。
3日間で用意された抹茶1,000杯は、連日閉場時間を待たずして売り切れ、完売。
良い庭は、お客さまを呼びます。
本当に忙しかったですが、夢のような3日間でした。
茶庭という日本独特の庭空間はCHA-NIWAとしても海外の方々に受け入れられることを知りました。
今回のコンセプトにもあった、形式にこだわらず、時代や国境を越えて、「楽しむ」ことを趣に置いた空間づくり。
見事に成功したように感じました。
改めて、日本の庭園文化の素晴らしさを感じさせるイベントでした。
いつの日か、ニューヨークで茶会を開いてみたいですね!
それまでには少しは英語が話せるようになりたいです・・・
今回の関連記事です。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170430-00000000-minkei-l11