このブログを書く数日前、ふと歴代BANDITSの先輩方のブログを読み漁っている自分がいた。
その中で、胸を打たれるブログに出会った。
現中大ラクロス部HC・26期新子さんのブログ「下手くそ」だ。
ポジションこそ違うが、このブログは自分のラクロス人生の核心を突いていた。
1年生の時、サマーはBチームだった。結果は予選敗退。その後ロングに転向したが、成果はでなかった。というか、成果が出るほどの練習をしていなかったから、そんなの当たり前だった。
当時の4年生が引退してから2カ月が過ぎたあたりで、当時のHCの諸星さんから
「響フェイスオフどう?向いてると思うよ‼」と累計5回ぐらい言われた(おそらく遠回しにディフェンスに向いていないとおっしゃっていた)。
フェイスオフなんて何が面白いのか分からなかったが、2月くらいにようやく自分が折れて、フェイスオフをやることになった。最初は全く勝てなかったけど、試合を重ねるうちになんとなく勝てるようになっていた。
「自分はフェイスオフなのでとりあえず手元勝てれば何とかなるか」という、クソほど安易な考えのまま。
時は過ぎ、気づけばBリーグはfinal4への進出を逃し、32期の代のリーグ戦も予選ブロック敗退という結果に終わっていた。33期の代へあっという間に変わった。
さすがに2024シーズンでTOPチームに入るならもっとフィールド上手くないとまずいなと思い、RED・WHITEの期間は手元の練習をすっぽかしてずっとフィールド練習に入った。知らないうちにフェイスオフの感覚が徐々に薄れていった。
少しばかりはこの期間でフィールドが上達したのかもしれない。
そしてこの場に及んでも俺は心の奥底で油断していた。
「まあ今年は4年のFOはたけちをさん1人だし、ボックス入るなら俺だな笑」って。
結果、春の最強決定戦は1回もTOPチームに呼ばれなかった。
意味が分からなかった、当時は。
フェイスオフの2枚目で入るなら俺しかいないと思っていただけに、めちゃくちゃ不貞腐れた。練習に行くのも億劫になった。こんだけ練習して評価されないなら辞めてやろうかとも思った。
だが、4年生の8月である今だからこそいえる。あの時なぜTOPチームに入れなかったのか。
「下手くそ」だからだ。3年FOの吉川響という選手はフィールドも中途半端で手元も弱い。だからTOPチームに呼ばれなかった。ただそれだけだった。
TOPチームは春の最強決定戦を戦う中、自分はCOMPANY(Bチーム)として活動するしかなかった。
悔しかった。本当に悔しかった。
でもやるしかなかった。フィールドはパスキャッチからGB、1on1まで、ありとあらゆるものを見直した。自分のなかで「臥薪嘗胆」という言葉を原動力に動いた。我武者羅にやり続けた。
武者にもたくさん行った。交通費も相当かかったが、行くたびに親に頭を下げた。「強くなるためにはどうしても必要なんだ」と。
武者先では上手い選手のFOをとにかく盗んでやろうと必死にもがいた。右手の小指から何度も血が噴き出たが、そんなこと関係なかった。
そして中立戦を2週間後に控えた2024年5月2日、トップチームへの招集がかかった。慈英がLINEで教えてくれた。
だが不安要素は残ったままだった。自分のスタイルが確立している訳でもないし、TOPチームで通用するかどうかは不安だった。
それでもやるしかなかった。
練習試合はチームに迷惑ばっかりかけていたけど、当時の塚田組は自分をTOPチームで使い続けてくれた。
この期間の経験値がなかったら、今自分はここまで成長できていなかった。
そして迎えた2024年度リーグ戦。初戦は落としたものの、第2戦の一橋戦に勝利し、下馬評をひっくり返したときは本当にうれしかった。
だが、目標としていた日本一はおろか、Final4にすら届かなかった。
第4戦の明治学院戦が終わった後、集合の時にひたすら泣いた。試合に負けた悔しさよりも、もう今年はFinal4にはいけないという喪失感、自分の無力さ、そういうものが全てこみ上げてきた。BANDITSに入ってから1番泣いた夜だった。
あれから1年が経った今、2025シーズンの幹部として最後の年を迎えている。
横田組開闢以来、ここまでの道のりは本当に苦しかった。
けが人は多いし
上手いやつは辞めるし
幹部をやめた奴は何人もいるし
春の最強決定戦は1回しか勝ててないし
練習試合も思うようにいかないし
リーグ戦も初戦を落としたし
寝坊してくる奴はいつまでたっても変わらない。
個人としても、今シーズンはフェイスオフの調子が悪い試合の方が多かった。まだ自分で納得のいくフェイスオフを試合で体現できていない。
勝つチームのフェイスオフができていない。
だが、どんな不利な状況が襲いかかってこようが、もう俺に残された時間は少ない。明日の明治戦はもちろん、必死に「引退」までの毎日を戦うしかない。
勝負の世界は本当に難しく、厳しく、残酷な世界だと思う。
けど、我々は「勝ち」という形でしか我々の証明ができない。
俺のことを応援してくれている人たちには、「勝ち」という結果でしか恩を返すことはできない。
だからこそ、必ず勝つ。俺がフェイスオフで勝たせる。勝つチームのフェイスオフを体現する。死ぬ気でポゼッションを取りに行く。
全ては我々を応援し、支えてくれている人のため。
必ず勝つ。
BORN TO WIN.
#33吉川響
P.S.
特定の人に向けたメッセージ
同期のFOerのみんな
武者でFO練のレストの時のたわいもない会話が意外と楽しかったり(笑)。フェイスオフもそれ以外のことも、たくさんのことをみんなから学びました。本当に感謝しかないです。ありがとう。
諸星さん
もろさんの助言が無ければ、今頃自分はディフェンスで路頭に迷っていました。あの時自分にフェイスオフを勧めていただき、本当にありがとうございました。必ず日本一になります。
桐蔭学園55期
普段は恥ずかしいから言わないけど、卒業してもこんなに仲良くできる集団はお前らだけだよ(笑)。オフの日に飯行ったり風呂パラ行ったり勉にゅできたことは良い息抜きになった、ありがとう。これからもよろしく。風パラmada??
教育学専攻51組
51組のみんなに出会わなかったら完全に大学で孤立して詰んでました。4年間本当にありがとう。是非ラストイヤーの吉川響を目に焼き付けてください。
34期TOPチームディフェンスとおぎちゃん
いつになったら坊主にするのかな?
りんちゃん
ちゃぶ、今シーズン最後まで頑張ろうね。