ミュージカル『マイ・フェア・レディ』のルーツは戦前、1910年代のブロードウェイだそうですが、この大人気ミュージカルが開幕したのは1956年3月。
そして、その『マイ・フェア・レディ』ジャズ・バージョンが録音されたのは同年8月。
シェリー・マン&ヒズ・フレンズ『My fair Lady』(1956年)
シェリー・マン(ds)
アンドレ・プレヴィン(p)
リロイ・ヴィネガー(b)
ピアノトリオの構成です。
ニューヨーク出身のシェリー・マン、父も祖父もドラマーだったという正にDNA!な家庭に生まれ、ウエストコーストで頭角を現します。
リーダーアルバムも30枚か40枚ほど録音しており、セッションドラマーとしてもかなり売れっ子。
オープニングからカッコいい!
オシャレ!
ドラマーのリーダー作なのに、ドラムは比較的控えめに聴こえ、決してピアノの音の邪魔をしないように演奏されています。
おかげでこのアルバム、ピアニストのアンドレ・プレヴィンの代表作として語られる事も多いのです。
ハービー・マンという人は、流行りモンがお好きで常に大衆が興味を持ちそーな音楽を取りあげて来ました。
ボサ・ノヴァをいち早くジャズに取り入れたのもこの人。
売れ線狙いですね(笑)
良く言えば、企画力がある?
ここでは軽快にスウィングするウエストコースト・ジャズの魅力が満載。
スマートで繊細なドラムのブラッシュ・ワークが洒落ているこのアルバム、ミュージカルのジャズ・アレンジは他にもありますが、これほどの成功は見当たりません。
とにかく素晴らしいセンス。
ちなみに、
オードリー・ヘップバーン主演の映画『マイ・フェア・レディ』の公開は1964年。
このアルバムの方が8年も早い。
決して映画のヒットに便乗したものではありません。