サザン・オールスターズの桑田佳祐の初監督作品。
『稲村ジェーン』(1990年)
監督:桑田佳祐
脚本:康珍花
舞台は1965年の鎌倉市稲村ヶ崎。
伝説の大波を待つサーファーたちを描いた青春群像劇。
主人公の愛車がダイハツ ミゼット。これで時代がわかります。
主演は加勢大周、清水美砂。
その他の出演が、金山一彦、的場浩司、尾美としのり、設楽りさ子、高良隆志、古本新之輔
そして、泉谷しげる、伊武雅刀、伊佐山ひろ子、伊東四朗、草刈正雄
さらに、PANTA、原由子も出てます。
「つまんねー! 何か面白い事ねえのかよ!」な日々を過ごしている20代の若者たち。
そんなある時、観測史上最大の台風が近づいて来ます…
退屈から来る焦燥感、そして終末願望。
そこへ台風。
伝説の大波“稲村ジェーン”(“ジェーン”はジェーン台風の事らしい…)が来るからサーフィンしようぜ!
って、どのくらいバカなの?
…という映画です(笑)
しかしこの作品、さすがサザン・オールスターズ人気、配収18.3億円を記録し、この年の日本映画で4位のヒットとなりました。
主題歌として書き下ろされた「真夏の果実」も大ヒット。
収録されたサントラ盤は、発売1週間で120万枚を突破。映画のサントラがこんなに売れるのは異例なんです。
なんです… が、
このサントラがデスネ
何を考えたのか、曲間に兄さんとお姉さんの寸劇のようなものが入ってまして、
この映画を観に行ったカップルの会話という設定になってます。
「湘南はいいよね」
「ああ、湘南はいいなあ」
そしてラブホへ(笑)
まさかこのセリフも桑田佳佑が書いてる?
そしてこの作品、ヒットはしたものの評価は…?
翌年にVHS化されましたが廃盤。同じ年に地上波で放送されたのが最後で、その後は“なかった事”にされています。
サザン・オールスターズは映画との相性が悪いんじゃないでしょうかね?
邦画史上屈指の駄作『モーニング・ムーンは粗雑に』も曲はいいのに映画は目まいがするほどひどい(笑)
同じく“なかった事”にされてます。
(※このブログの2014年10月9日付「モーニング・ムーン」ご参照下さい)
『稲村ジェーン』の場合はまぁ、駄作の黒歴史だからというよりも、主演の加勢大周がその後にクスリでパクられたりしてるのが原因で封印かも?
そんな幻の作品だった『稲村ジェーン』がようやくこの度、Blu-ray&DVDデジタル・リマスタリング画像で発売になるそうですよ。