忠孝酒造(ちゅうこうしゅぞう)で見学案内を担当している井上です。
数あるブログの中から、「知ってますか?泡盛」
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泡盛といったら古酒(クース)ですね。
ご自宅で古酒作りを行っている方も多いと思います。
このテーマではそんな古酒作りを始めようと考えている方、始めている方に参考になれば幸いです。
今回は、「瓶と甕、どちらが古酒作りに向いているか?」です。
結論としては、「どちらでも良い」ということになるんですが、甕と瓶の長所短所をまとめてみます。
■■瓶貯蔵の長所■■
・瓶貯蔵は、泡盛そのものの熟成が楽しめます。
・古酒作りがカンタンです。
密閉性が高いので、熟成中にアルコールが抜けたりしません。
瓶なので、泡盛に対して影響を及ぼしません。
そのため、泡盛本来の熟成が分かります。
瓶貯蔵は、古酒作りに失敗したくない人、泡盛自体の熟成が知りたい人向けの方法です。
弱点は、貯蔵量が少ないことです。
普段売っている瓶って1升(1.8L)ですよね。
【仕次ぎ】
の量を全体の2割までとすると、1升だと360mlになります。
1年に1回仕次ぎをすると、360mlしか飲めないことになります。
少ないですね
じつは1升瓶のほかにも、『益々繁盛(升升半升)』2升半(4.5L)や1斗瓶(18L)というサイズの瓶があります。
瓶貯蔵を考えている方は使ってみてはいかがでしょうか
▼左が2升半の瓶、右が通常の1升瓶です。
■■甕貯蔵の長所■■
・甕はその甕の個性が泡盛にプラスされます。
・熟成が早いです。
・泡盛といったら甕文化です。
甕は土に含まれる金属イオンの触媒作用があります。
そのため、瓶に比べ、熟成が早くなります。
詳しくは詳しくは【甕貯蔵の優位性】
それから、甕香(かめこう、かめか)と呼ばれる甕に由来する香りが付きます。
そのせいか、同じ10年古酒でも甕貯蔵の方が香りが高いです。(経験談)
ただ、この甕の香りが苦手な人もいます。
忠孝酒造にも苦手な人がいて、その人は甕貯蔵の古酒とそうでない(ステンレス貯蔵)の古酒を完璧に区別していました
あとは、泡盛は甕文化と言われるように、泡盛と甕は深い関係があります。
昔は作りから、貯蔵、運搬まですべて甕を使っていました。
この辺りの話しは別の機会にします。
甕貯蔵の短所は、管理が大変なことです。
貯蔵期間中に泡盛がなくなったり、甕の香りが強くつき過ぎてしまうことがあります。
でも、「手のかかる子どもほど、かわいい」と言うように、そんな甕の弱点も含めて古酒作りなんだと思います。
■■まとめ■■
というわけで、予告通り、甕貯蔵でも瓶貯蔵でもどちらにも魅力があります。
目的と予算に合わせて、選んでみてはいかがでしょうか
<関連記事>
・【仕次ぎとは】
・【古酒の管理・仕次ぎの方法】
・【甕貯蔵の優位性】