カンニングの指導 | 中学理科教師のつぶやき

中学理科教師のつぶやき

中学校理科教師として25年。ひとつの意見として、ここに私の日々考えたことを記録していきます。同業の方、現役生徒、現役親御さんとのネットでの交流もできるといいですね。

秋も深まりましたな。
中間テストも終わって
今や文化祭の取り組み真っ最中です。


中間テストの監督をしていると
今この学校では、考えられませんが
今までのカンニング摘発&指導を思い出しちゃいます。


摘発まで行くと

そんなに例は多くないんだけどね。

20年やってて、3人ですな。


テスト監督というと
テストを配って、終わったら答案を回収する。
テスト中に、鉛筆や消しゴムを落とした生徒がいれば
挙手の合図で拾ってあげる。
問題や解答用紙の不備なんかに対応する。
というのが普通です。


あとは、特にやることもないので
別の事務仕事を持ち込んで
やっちゃったり、読みかけの本を持ち込んで
自主研修したりしているわけです。


しかし、ちょっと荒れた学校や
カンニング癖を持った生徒がいると
話は変わります。


試験時間中は、他の作業を一切せずに
監督業務に集中しますな。


この場合は、空気でわかります。

生徒が落ち着かず、なんとなく
にやにや、ざわざわしている。
挙動不審の生徒がいる。

テストにふさわしい緊張感がないのです。

こういうときは、カンニングの指導に入ります。
事務仕事や自主研修は後回し
監督&指導が最優先です。


指導の内容は2つ。
未然にカンニングを防ぐ指導と
カンニングの摘発と処分の指導です。


実は、中学生はカンニングとは何かを
わかっていない生徒がいます。
あと、すっとぼけている生徒がいます。

微妙に違いますが、心の中までは
のぞくことができませんので
同じに扱いますの。


まず、カンニングとは具体的にどんな行為かを
あらかじめ説明します。


・他人の答案をのぞかないこと
・教科書やワークなどをこっそり見ないこと
・隣近所と相談しないこと
・カンニングペーパーを用意しないこと
・手や机に答となるようなことを書かないこと
・答えを口にしない、答案を見せないこと
・返却された答案を改ざんしないこと

ま、こんなもんでしょうか?


そして、カンニングが見つかったときは
テストの点数は全て0点となることと
保護者が学校に呼ばれ事情説明を受けることになる
といったことをあらかじめ宣言しておきます。


前もって、このくらいを言ったら
中学生がなるほどと理解して
カンニングはなくなるかというと
まあ、たいていのクラスでカンニングは
日常茶飯事に発生しますな。


テストを早く終えた生徒が
暇なので、ぼーっと隣の机を見ています。
これ、アウト。
よくある、無意識のカンニング行為です。


これね。こまめに指導しなくちゃいけません。
カンニングです。アウトじゃなくて
未遂のうちに指摘するのです。


ぼーっとしている生徒は
自分がカンニングしていることに
気がついていませんから。
そのとき、その場で教えてあげないと
いつまでたってもわからないのです。


これが、高校入試だったり
入社試験だったりすると
かわいそうですから。本人が。


テスト中でもかまわずに
「斉藤、隣の答えを見るな!」
と指導します。


ときどき反抗する馬鹿者がいますな。

「見てません」

「見てたから教えてあげたのです。
 ちゃんと意識して行動して下さい。」

「だって、直してないもん」

「直したら、完全にアウトです。

その前に教えてあげたのです。

本当は、見た時点でカンニングです。

アウトにしますか?」

「いえ。」

全体にも

「斉藤君だけではないよ。

無意識のうちに、あちこち見る癖のある人が多いです。

見て良いのは、自分の机の上と、時計だけです。

用もないのに、先生を見るのもいけません。

テスト中です。緊張感をもって下さい。」


試験監督をするとよくわかりますが
テストに集中していない生徒って
よくわかるんですよ。


テストに集中していない生徒とは
遊んでいるか、カンニングしているか
どっちかです。


遊んでいる生徒にも、指導します。
テスト中に遊んではいけない。

早く終わっても
テストに集中している振りをしなさい。


鉛筆を置かないで持ち続ける
テスト用紙をじっと見て考えている振りをする。
ときどき、テスト用紙をめくったり
はじっこに何か書いてみる。
でも、絵とか模様は描いちゃいかん。


高校入試本番の予行練習も兼ねるのです。


でもね。実際やってみると
この集中力はかなりきついことがわかります。
だからこそ、全員が挑戦しなくちゃね。


さて、無意識カンニングチームの指導は
明るく、ねばり強く、くり返して行います。
課題を明確にすること
指導して前向きに評価できるように
行動させること。
これで、だいぶ成長します。


問題となるのは
意識的にカンニングをする生徒の指導ね。
その前に、摘発もしなくちゃいかん。


意識的にカンニングをする生徒は
2種類います。


点数をとらなくちゃいけない
でも、勉強していない、追いつかない
わからない。
追い詰められて、カンニングに及ぶ
追い詰められ型。


あとは、教師に対する挑戦とか
冒険、好奇心、仲間にいい顔をしたくて
などの愉快犯型。


まあ、どっちも同じです。
追い詰められ型がかわいそうで
愉快犯型がけしからんとか
そういう個人的で勝手な感情をいれると
指導できません。


どちらも、厳粛に摘発して
処分を受けてもらいます。


カンニングの摘発は簡単ですが難しい。
見つけるのは簡単です。
よく見ていればわかります。
40人の教室で、みんながテストに集中している中で
妙なそぶりをしていれば、すぐにわかります。
目立つんですから。


問題は、摘発するタイミングです。
どの時点でアウトにするか。

カンニングした生徒は、
2つのタイプのどちらにしても
必ず、カンニングを否定します。


そりゃそうだ。
どれだけ処分が重いのかを考えたら
簡単に認めるわけがない。


そして、カンニングというのは
証拠をわかりやすく残すのが
なかなか難しいのです。


やっていないと言い張る生徒に対して
客観的に事実を突きつけられるかどうか
この辺が、摘発のポイントなのです。


カンニングペーパーや机などへのちょい書きのような
物的証拠があれば、わかりやすいのですが
のぞき見や、相談なんて言うのは
ビデオ映像でもない限り
やった、やらないは水掛け論になりますから。


教師側で、明確に目撃証言ができないと
いけないのです。


ですから、私は、明確な目撃ができないときは
摘発しません。その時摘発できなくても
カンニングに成功した生徒は
また、必ず同じ手でカンニングしますから
その時を待ちます。


もちろん、そんなときでも警告はします。
「あれは、カンニングに見られてもおかしくない」
ってね。


警告をうけて
やばいと感じて
あとはやらなくなれば良いんです。


不正は全て暴かねばならんと言うのは
教育的ではないのです。
生徒が間違いに気がついて
行動を修正できればいいのです。


警告を受けたのにもかかわらず、
やっぱりカンニングするときは
しかたがありません。
摘発して、処分。身にしみるように反省してもらいます。


カンニングの場合は、問題として明確になると
教師の説諭だけでなくて、成績に対する具体的な処分と
保護者への説明が必要になりますから
摘発する教師側も
覚悟してかからないといけないのです。


ま、不正して良いお点をとっても
私自身は別にかまわないと思っているんですけどね。
いいんですよ。ずるして「5」とかもらっても

私も、点数さえよければ
どんなに生徒の根性が曲がっていても
ばんばん良い成績を差し上げる主義ですから。


でもね。天知る地知る人が知るといって
不正というのは、なぜかばれる。
それが、当事者の信用とか評判を
ものすごく下げてしまって
良い友達も周りからいなくなって
退廃的な友達に囲まれるようになって
あーあ。って生徒も何人か見てきましたし
それじゃあ、かわいそうだなと思うので
カンニングしちまった生徒には
道だけはちゃんと指し示しながら
厳粛に処分と指導を進めるのであります。


学校の成績やテストの点数なんて
清らかで真っ直ぐな心に比べたら
全然、価値なんかないのね。


ああ、今の学校は本当に平和で幸せ。
あまりの人数の少なさに
目が行き届きすぎて
そんな気もおきないようです。
ま、これが普通なんだけどね。


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