友達不安で不登校になる中学生 | 中学理科教師のつぶやき

中学理科教師のつぶやき

中学校理科教師として25年。ひとつの意見として、ここに私の日々考えたことを記録していきます。同業の方、現役生徒、現役親御さんとのネットでの交流もできるといいですね。

「大阪のママ」さんからのご相談。


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中学2年の娘が定期的に不登校になります。だいたい1週間ほど休みます。理由は頭痛や生理痛ですが、よくよく聞けば友達関係が上手くいかず、本当の友達がいない!とか、わざと無視されてる気がする!などです。考えすぎでは?と思うのですが、思い詰めて良からぬ方向に……っと親の私がウロたえて子供の言いなりになってしまっています。学校を休んでる時も、友達からメールや電話が入りますが、どうせ心配してる振りや!と言って電源を落としたりします。私が、そんなことないから、ちゃんと返事をしなさい!と促す感じです。自分から友達を遊びに誘うなも苦手みたいです。どうも断られたら恥ずかしい、傷つく、と言った理由みたいです。そんな娘を見てて心配で心配で、なんてアドバイスをしてあげたらいいのか分からず娘の寝顔を見てたら涙が…ネットに何かアドバイスはないかと探していたら先生のブログにたどり着きました!ヨロシクお願いしますm(__)m


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教師としてというよりも、親として身につまされますわあ。


子どもって、ときどきそういう無茶を言い出すことがあるんですよね。


中2娘は何に悩んでいるんでしょうかね?

そこを見極めたいところです。

友達、友達、言ってるけど

本当に友達関係に不満や不安があるのか。

それとも、友達関係というもっともらしい「不安」をだしに

親に駄々こねて甘えてみたいのか・・・。

1週間くらい不登校というのも、けっこう不思議な現象で

本格的に友達に不安を持っている生徒は

1週間休んだくらいでは学校に行けないものです。

世間では、そういうのを「ずる休み」といいます(笑)


いえ、悪くないと思いますよ。


世間ではずる休みでも

本人にとっては心のバランスを取り戻す休養期間なのだと思いますから。


その証拠に、1週間休んだらまた学校に行くことができます。

本当に、友達関係で不安を持って、じたばたしているなら

まあ、温かい目で見守って

ふんふんうなずきながら話を聞いてやって

朝はちゃんと起きて顔を洗って、ご飯食べて

学校行けたら学校行って

そうじゃなかったら、家の掃除をしたり

自分で勉強したり、本読んだり

だらしなくならないように有意義な時間を過ごせよと

ちょっと離れたところから励ましてあげることでよろしいのではないかと。

避けたいのは


そんなんじゃ友達ができないとか、いなくなるとか言って

脅したり、責めたりすることですね。

傍目から見ていると、責めたくなるんですわ。じれったいしね。

でも、不安でしかたがないときに

唯一の味方(?)から責められると、もうね。

どうしようもないですからね。

言ってもしかたのない自虐的なことをわざわざ口走ったり

友達のことを非難したりしても

ふーん、そんなこと無いと思うけどねー。くらいに

軽く流しとくのがいいかと思います。


だって、中2娘の話が本当だとしても

親には、何にもできませんからね。


友達の家まわって。うちの娘を無視しないでぇ。

話を聞いてやってぇ。友達になってぇ。

って言って回ったら大変なことになりますから。


軽く流し否定したのに対して

ムキになってどうしてもそうなんだと言い張るなら

ああ、そうか、そうかもしれないね。

でも、知らんよ。くらいの

無責任な感じでいいのではないでしょうか?


うん。


私流で恐縮ですが

やっぱり、中学生が何かに困っているときに

親や教師、大人が問題を解決してあげるのは

非常によろしくないことなのだと思いますの。


あくまでも、アドバイス。


的確だといいけど、的確じゃなくても

大人、先輩、経験者としてのアドバイスを与えて

実際に乗り越えるのは「お前!」という距離を保つのが

いいのではないでしょうか。


昨今のお子様達は、うちの娘達も含めて

アドバイスをすると、すぐに「それは本当か」とか

「保障するのか」とか「だめだったらどうするんだ」とか

絶対の成功を求めたり、やりもしないうちに失敗を想定したりして

ぐずぐず駄々をこねますが


「そんなのは知らんよ」「私はそうするけどね」と

突き放してもいいのだと思います。


つーか、突き放されないと

いつまでたっても自分でできるようになりません。


友達関係も、学校を休むことも、自分で乗り越えさせる

乗り越えられなくても知らん。くらいの覚悟を決めてみてはいかがでしょうか?


私の妹も、中学校には2年生から3年生半ばまで

友達からのいじめにあって、学校に行ってなかったようですが

高校には行って、看護師になって、結婚して、お母さんになって

元気におばさんをやってますしね。


もちろん、親としては、子どもの将来とか

不安はいっぱい湧き起こりますが

よく考えてみると、考えてもしかたのない不安なんですよね。


変な不安を抱えて、不安定な気持ちのまま子どもに接するよりは

根拠無しの「大丈夫」という構えで

子どもの不安に侵されない健全な大人でそこにいたほうが

子どもの不安も早くに解消されるような気がします。


ちなみに、我が家の話をしますと

学校に休まないで行けと言ったことはありません。


学校に行きたくないと言えば

じゃ、学校やめたらいい。と言ってきました。


休んでもいいの?と聞き返しますので

「休むんじゃなくて、やめるの。学校に行きたくないんでしょ?」と

補足説明をしてあげます。


行きたいときだけ行って、行きたくないときは行かないのでは

学校も迷惑でしょ。だから、学校に行きたくない人は、学校をやめるの。


だって、学校には行かなくちゃならないんでしょ?と

義務教育の話をしてきますので

義務教育の義務は大人の義務

子どもが勉強できるように助ける義務があるのであって

子どもが勉強する義務ではないのよ。と

正しい(笑)義務教育の意味も教えてあげました。


だから、学校に行きたくなかったら

勉強したくなかったら行かなくて良い。

ずっと、赤ちゃんのままで、親の世話になって

親の言うことだけ聞いて暮らすなら

ちゃんと面倒見てやるから心配すんな。


学校に行って勉強して、立派な大人になりたかったら

学校に行けばいい。でも、気ままに休んじゃだめ。

そういう赤ちゃんは、学校をやめなさい。


君の親は、頼んでまで学校に行って欲しいなんて全然思ってないからね。


小学校の時はそんな感じ。


中学生になると、風邪だの、腹痛だのもあるけど

気持ちが疲れただので学校を休むことも、よくありました。


その時は、まあ、さぼりにならないように見極めて

気持ちよく休ませていましたよ。

布団に入ってろなんて言わずに

テレビ見てのんびりしとけ

エネルギーたまったら、回復したら学校行け。


そのかわり、休日なんかに、自分の好きなことをしたあとは

吐いてでも這ってでも学校行け。

火曜は休んでもいいけど月曜は行け(謎)とか

何か変則ですが、楠家ルールでやってきました。


なんか話があちこち行っちゃいましたが
要は、子どもの気持ちが成長するように

アドバイスしていきましょう。


気持ちの成長は、たくさんの失敗を含めた経験と時間がかかります。

焦ってもしかたがない。


それより、大人としてでんと構えて。

学校行く行かない、友達できるできないは、些細な現象、ただの結果と考えて

「自分に自信を持って、自分で行動を決められる」そこに焦点を絞って

いろいろ言ってあげて下さい。


ごめんなさいね。相談の答えになっていないような。

重ねて、聞きたいことがあったら、どうぞ、いつでも何回でも

遠慮無く。


いつの回答になるかは保障できませんけど。


娘さんが安定するといいですね。

我が家の小学生はまだまだこれからです。