第一志望校の受験を断念する? | 中学受験講師ブンブンのブログ

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6年生の秋には、志望校を絞り込む必要があります。

受けるかもしれない私立中学を15校くらい情報収集しておき、実際に受ける5校前後に絞り込むことになります。

 

ここで頭が痛いのがこちら↓

『成績が思うように伸びない場合、第一志望校を断念するか?』

 

小学4年5年の時から、あこがれていた私立中学があるものです。

偏差値が15足りなかったら、すでに受験を断念しているでしょう。

ところが、偏差値が6足りないだと、微妙な状況になります。

 

今回は、第一志望校の受験を断念するかどうかの話。

 

【1】2月1日以外は第一志望は変えないのが無難

第一志望校は、なるべく変えないのが良いと思います。

偏差値が10足りなかったらスパッと断念すべきですが、偏差値5足りないくらいなら、受けて良いと思います。

あこがれの第一志望校を断念するのは、モチベーションが下ります。

ただし、多くの学校の入試が集中する2月1日校は、そんな余裕はありません。

 

 

【2】偏差値表は80%でなく50%を見る

まず、確実に合格したい併願校でしたら、80%偏差値を見るのが適切です。

でも、可能性は低いけど逆転合格を狙う場合は、「合格可能性80%偏差値」は不適切です。

四谷合不合でしたら「50%偏差値」、日能研なら「R3・R2偏差値」です。

たとえば、開成中学なら「80%偏差値」が72、「50%偏差値」が68と、4の差があります。(昨年度四谷結果偏差値)

一番入りたいあこがれの第一志望校でしたら、合格可能性50%(あるいはそれ以下)でも、受ける価値があると思います。

 

 

【3】都内は、無謀な挑戦はしにくい

2月1~4日の東京都・神奈川県の入試は、短い日程に集中します。

御三家を初め多くの難関校が集中する大事な2月1日に、可能性がゼロに近い挑戦校を受けるのは、無謀です。

男子で「開成には偏差値が8足りないけど挑戦したい」という受験生なら、合格は絶望的でしょう。でも開成中は厳しくても、武蔵・駒場東邦・慶応普通部・早大学院に2月1日に受けに行けば、合格できる可能性が十分あるわけです。

この貴重な2月1日に、無謀な受験をするのは、とてつもなくもったいないことです。

2月2日や4日なら、場合によっては挑戦校を受けるのは悪くないと思います。

 

 

【4】千葉と埼玉は、偏差値が8足りない挑戦もアリ

千葉と埼玉は、入試日程がズレています。

千葉の難関校なら、市川・東邦・渋谷幕張と入試日が違っていて、一通り受験できます。

だったら、第一志望校だけは、偏差値が8足りなくても受けるのも悪くないと思います。

第一志望校を断念すると、受験に対するモチベーション低下の恐れがありますし。

ただし、留意点があります。

★偏差値が大きく足りない「無謀な記念受験」は1校だけにする。

★第一志望校の難しい過去問に、時間と労力を使いすぎない。

★不合格をくらっても、ペースを乱さず次に向かうと約束しておく。


 

【5】千葉埼玉で合格を取れたら都内で強気も

ただし、千葉県民、埼玉県民と、北区や江戸川区など千葉埼玉に通いやすい地域だと、若干事情は異なります。

千葉埼玉で、十分に納得できる学校に合格が取れたら、強気で挑戦できます。

たとえば、こんなパターンです(偏差値は四谷大塚50%)

1月14日の浦和明の星(62)、または1月20日の市川学園(63)に合格できたとします。

だったら、2月はダメで元々の強気で受験ができます。

2月1日・女子学院(66)

2月2日・豊島岡(66)

2月3日・慶応中等部(68)

 

 

【6】偏差値より過去問が正確な時も

偏差値よりも、過去問の得点状況が、正確に合否を占えることも珍しくありません。

★難しい問題がどのくらいあるか

★塾で習ったパターン練習で解けるか、思考力が必要か

★記述が多いか、記号が大半か

極端な例は、都立一貫校のような思考力重視の入試問題です。

首都圏模試をはじめとする普通の偏差値が出るテストでは、合格可能性が的確に判断できません。

やはり、過去問の出来のほうが、正確に合否を予測できます。

 

 

【7】親子で もめたらテストの結果待ちも

受験生は「これから成績上がるハズ」と思いがちで、現実的な受験校に変更するのに抵抗することがあります。

この時期にもめても、あまり良いことはありません。

そこで、次の模試の偏差値で決める手法があります。

「次の模擬試験で、合格可能性が30%を超えていたら、予定通り受けよう。30%以下なら、大事な2月1日に無謀な挑戦になるから変更しよう」というわけです。

 

 

【8】塾の先生に仲介を頼むのも手

塾の先生が面倒見が良ければ、親子の意見の対立を仲介してもらうのもアリでしょう。

性格も成績も理解している塾の先生のアドバイスなら、子どもが受け入れる場合でも納得しやすいです。

「第一志望の××中学に行きたいのはなぜだ?」「今までの努力は十分か?」といったシンドイやりとりを経て、どうしても受けたいとなったら、先生が保護者に「可能性は低いけど、第一志望を受けないと後悔します。受けさせませんか。」などと保護者に譲歩してもらう、生徒には「そのかわり残る期間必死で頑張れよ」と意識を変えさせることもあるでしょう。

 

 

【9】早慶の付属は、無謀な挑戦に最適!?

偏差値が10近く足りない無謀な挑戦は、勉強のペースを乱しやすいなどの弊害があります。

その中で、早稲田・慶応の付属のような難関私立大学の付属は、無謀な挑戦でも弊害が少ないです。

高い壁に跳ね返されても、「やはり合格は無理だったか。でも、入学する〇〇学園で勉強頑張れば、6年後には慶応大学に受かる学力がつく。6年後に再挑戦だ!」と前向きに受験を終えることができます。

特に2月3日の慶応中等部は、偏差値が高い割には比較的易しめの問題が多く、日頃の勉強に悪影響が出にくいと思います。

 

 

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