ヘッドシェルはカートリッジをしっかりと取付て、レコードプレーヤーのトーンアーム部へ接続するためにすご~く重要なものです。
世の中には各メーカーから色んなヘッドシェルが出ています。
値段もピンキリ、材質もアルミ・マグネシウム合金・セラミックやら木質やら。
それぞれ重量も異なりますし、振動を吸収するとかどうとか...
しか~し! 最も基本的な機能・性能としては、
・カートリッジをしっかりと取付出来て、レコードから拾い上げた信号をきちんとプレーヤー本体のトーンアームへと伝達することでは?
これができないとどんなに高級なプレーヤーとカートリッジでも、本来の性能が発揮できないです。
出来ることなら信号の経路上の接続点は少ないに越したことはないですが、シェル一体型のトーンアームってカートリッジ交換が面倒で下手するとトーンアームから出ている線を切ってしまうので怖い方も多いのでは?
ヘッドシェルを使う場合、シェルリード線の部分で接点が2か所。
そしてヘッドシェルとトーンアームの接点が1か所あります。
次の写真は、ヘッドシェルを後ろから見た端子部分。 4つの金色の接点部分が見えます。
そして次の写真がトーンアーム側のコネクタを覗いたところ。
やはり4つの金色の接点が見えます。
つまり、ヘッドシェルの接点はトーンアームに取り付けた際にこのコネクタの接点に押し付けられることで導通し信号が伝わるということですね。
トーンアームのコネクター側接点は、コネクター内のばね機構で押し付けられるようになっています。
これらの接点が汚れていたり、きちんと押し付けられていないと信号が正しく伝わりません。
左右のどちらかの音が出ないとか、音がこもった感じの場合にはカートリッジを疑う前にこれらの接点のお掃除をしましょう。 それからでも他の部分を疑っても遅くないです。
さて、前置きが長くなりましたが、この重要な接点部分で驚いたことがあります。
あるメーカーさんのヘッドシェルを試しに使ってみようと、カートリッジを付けてリード線を接続しようとしたら、ビックリです!
リード線をヘッドシェルに接続しようとしたら、なんとヘッドシェルの端子が少し引っ込んでしまいました。
もちろんその結果、反対側に少し出っ張ってしまったのです。
こうなるとトーンアーム側のコネクターの端子とは、4本同じ圧力で押されなくなるので接点不良になってしまいます。
上の写真は、ビックリついでにピンをペンチで引き抜いたものです。
さらにビックリ!!!
まともなヘッドシェルならピンの中間に抜け防止のための加工(平たく潰すなど)がされているはず。
これは単なる真っすぐのピンを挿入してあるだけです。
これでは、何回かシェルリード線を抜き差ししている間にずれてしまう危険が大きい。
ヘッドシェルの材質や構造による音質どうこう言う以前の問題だと思います。
このようなことは、割と有名な大手ブランドでもあるようです。
こういう基本のところにはきちんとお金をかけて作ってもらいたい。
皆さんも、ヘッドシェルの端子をお掃除する際にでも、4本のピンの先端位置がそろっているか一度確認してみることをお勧めします。
トーンアーム側の端子はばね機構が入っているので、あまり厳密でなくとも大丈夫だとは思いますが、気持ちの良いものではありませんから。