パキスタン〜ガンダーラ最大都市「タキシラ」① | À mon avis...

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昔から遺跡や古代文明に興味があったチュリ。

一時はロンドン大学で考古学を勉強する予定でもありました。

考古学を勉強して将来食べていけるだろうかと考えたとき急に不安になり、結局現職に関連する分野に進んで今のチュリがあるわけですが、今でも機会があれば遺跡巡りをしたくなります。

 

 

 

若い頃からなぜだかアッシリア帝国やヒッタイト王国に傾倒していたのですが、それと同じくらい惹かれるのが東西文明が融合されたシルクロード周辺の文明。

 

ガンダーラ美術を一目見てみたい、遺跡を訪問したいと強く思っていたその夢、2023年についに叶いました( ´ ▽ ` )

 

 

 

ガンダーラというのは、現在のパキスタン北西部ペシャワール周辺に紀元前6-11世紀にかけて栄えていた古代王国のことで、このあたりは遠い昔「ガンダーラ地方」と呼ばれていました。

 

ガンダーラ地方は、ヨーロッパ、中東、アジアの交易の要衝として、異なる文明が行き交う場所でした。そして仏像が誕生した地でもあります。日本に仏教が伝わったのは6世紀前後のことですが、ガンダーラで仏像が掘られ出したのは1世紀前後のこと。

 

西遊記で三蔵法師として描かれている唐僧・玄奘三蔵もこの地を訪れたことが記録されています。

 

 

 

そのペシャワール周辺で6世紀頃まで栄えた仏教美術を「ガンダーラ美術」と呼ぶのですが、「東の仏教」と「西のヘレニズム文化」が融合されてできあがったものです。

 

ヘレニズム文化は、マケドニア王国のアレキサンダー大王の時代に誕生した「ギリシャ文化」と「オリエント文化」がかけ合わさったもの。なので、ガンダーラ美術には、ギリシャ美術とオリエント文化を見ることができるわけです。

 

 

 

前置きが長くなりましたが、ガンダーラ美術に興味が湧いてきたでしょうか?

 

この度チュリが訪問したのは、パキスタンから北西30km強の場所にある世界遺産「タキシラ(Taxila)」。セキュリティの関係でアフガニスタンとの国境近くの街・ペシャワールまでは足を延ばせなかったのですが、タキシラに行けただけでも大満足です。

 

 

 

 

 

まずは向かったのはタキシラ博物館。ギリシャ彫刻と仏様が共演したレリーフや仏塔が展示されているのですが、博物館のガイドの方の説明がとてもお上手でかなりお勉強になりました。

 

ちなみにガイド料はきちんと設定されておらず、1,000 PKRチップにお渡ししたのですが、これで十分だったのか否か不明です。

 

ガラスが反射して良い写真が撮れなかったのですが、いくつか紹介させてくださいね。

 

 

 

 

 

こちらのレリーフは、仏陀の上に天使がいる様子を表しています。しかも天使は東洋美術の様式で描かれています。

 

 

 

 

 

こちらは、ブッダの左側にギリシャ神話のゼウスらしきフィギュアが彫られていて、なんだかとても不思議な絵となっています。

 

 

 

 

 

仏陀とコリント様式の柱、そして天空をささえるギリシャ神話のアトラス。ギリシャ美術と言われても納得できそうな東西が溶け合ったレリーフです。

 

 

 

 

 

仏様のお召しものは、ギリシャ神話のローブのようです。

 

 

 

 

 

博物館を訪問したあとは、タキシラ遺跡の発掘に一役かったイギリス人考古学者、サー・ジョン・マーシャルの当時の住居でティータイム。現地スタッフのお友達が今回の訪問に飛び入り参加してくれたのですが、彼女がすべて手配してくれていて、素晴らしいおもてなしでした。

 

 

 

ティータイムのあとは、遺跡の見学に向かいます。