大地震以降、状況が状況だけにあれこれの「趣味的お楽しみは封印!」てな感じになってます。
これは、被災地の方々を思えばという気持ちや計画停電もあって節電に努めねばという意識もこれあり、
出かける側としても、また主催する側としてもというところでありましょうか。
ですから、演奏会の類いは軒並み延期か中止、美術館も閉まったままで、
多少芝居は続演されてる感じですかね。
そんな中で一昨日ですが、平日の昼間にあるコンサートが開演するというので、出かけてみました。
東京オペラシティの主催公演で、極力電力消費を抑えて開催するというのが、
果たしてどんなものであろうかとも思ったわけです。
開演に先立って、あのダンシング・マエストロの井上道義
さんが挨拶をされましたが、
その中で「そう言えば」と思いましたのは、日本に数あるコンサート・ホールの中で
東京オペラシティのコンサート・ホール「タケミツ・メモリアル」は直接外光を入れられる稀有な作りなのですね。
開演前のホール内、ステージ上は灯りが点っているもののかなり薄暗く、客席用の照明は一切なし。
舞台に向かって正面上方の大きな二等辺三角形状の窓から差し込む外光だけが頼りです。
(普段の公演時はもちろん閉まっていて、そこが窓になってるとは思いもよらず…)
開演時にはステージの上だけは照度を増したものの、それでも普段よりは控え目だったのではないかと。
冒頭の挨拶に続いて、演奏者、聴衆が黙祷を捧げたのですけれど、
演奏中の客席より以上の沈黙がホール全体を支配するという、これまでにない経験をしたのでした。
このように始まった演奏会でありますが、
いざ曲が始まると、須川展也さんの相も変わらず澄み切ったサックスの音には
心を洗われる思いがし、このところの毎日の心の疲れを忘れられるひとときになったのは間違いなし。
(と言って、被災された方々と比べてどうだとかいうつもりは全くありませんけれど)
さりながら、終わって帰宅がてら、そして帰宅してからもですが、
結局、個人的な楽しみなんだよね…という気もしてきたりするわけです。
ちょっと前に物議を醸したプロ野球、セ・リーグのナイターの話。
これを聞いたときには「なんてこった?!」と思ったのですよ。
それこそ星野監督ではありませんが、「空気、読めよ!」と。
でも、一方で音楽好きの人なら、どんな形であっても演奏会が開催されるなら、
それにに浸れる一瞬が生気を甦らせることになるかもしれないのと同じように、
野球好きの人であれば、選手たちのプロらしいプレーが展開する場に身をおくことで
明日の活力を得られるのかもしれないですよね。
ただ、ちょっと違うのは「開催の仕方にどれだけ配慮し、工夫するか」という点かもしれません。
今回の演奏会での配慮というものが、必要にして充分なものであったかは一概には言えない。
それでも、あたかも何事もなかったかのようにいつも通りに開催したわけでもない。
これに比べて、プロ野球のナイターはボールがはっきり見えるだけの照度を確保しなくてはならないだけに、
この点では手加減のしようがないですよね。
さすれば、違った形で配慮なり、工夫するようなことが望まれるのではないかと。
…とまあ、両者の違いを見出して納得しようと思っているものの、
いったい何が良くって何が良くないのか、どこまでやるのなら良くって、どこまでやると良くないのか…
そうそう簡単には行かないようです。
現実的に都心は埒外であるものの計画停電は続いているのですから、
それこそ都心部も含めた節電は、計画停電の予定されるグループの中でいくらかでも
停電見送りにするだけの効果に繋がる可能性がありますよね。
そこのところを忘れてしまって良いとは思われませんし、
かといって計画停電が続く限り「お楽しみは封印」では息が詰まってしまう。
また、何が良くて何が悪いといっても、お楽しみの何たるかは人それぞれですから、
これまた簡単に仕切れるものでもない。
演奏会が終わってからちょっと時間をおけば、少しは整理がつくかなと思ってみたのですが、
結局は自分の嗜好寄りの贔屓してる感をぬぐい切れず、なかなかに難しいなぁと…。