京山幸枝若フェスティヴァル2024 東京編二日目公演終了 | 有限会社宮岡博英事務所のブログ

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本日(2024年4月7日)木馬亭における京山幸枝若フェスティヴァル2024 

東京編二日目の公演が無事終了しました。東京編も目出度く千秋楽。

ご来場のお客様には改めて御礼申し上げます。

リハーサル風景

左から堺家小利貴丸師匠(太鼓)、幸枝若先生、幸乃さん、幸太さん、初月師匠、天美小鉄師匠(ギター)。

幸枝若先生がお囃子に回って音響テスト。

一席目は幸乃さんで『吉良の仁吉』。河内音頭は三度目とかで大緊張の舞台です。

お囃子には天中軒月子さんを迎えての豪華版。本番はこういう絵面でお目通りします。

動きもリズミカルな堺家小利貴丸師。猛烈な130キロの体重をここまで減量したという鉄人。

いかにもミュージシャンという感じ。カッコいい天津小鉄師。

緊張が写真からも伝わりますねえ。見守る初月師匠に月子さん。

幸乃から幸太への転換時の初月師匠と小鉄師匠。

こういう瞬間も絵になります。

さあお次は色気溢れる幸太さん。演題は『忠治売出し』。

『忠治』が幸枝若節にあるのかと思ったら、「ありません」と

幸枝若先生が即答。何でもレコード用に先代幸枝若先生が録音したものがあるそうで、

これを「お前やれ!」と幸太さんにけしかけたんだそうです。

先代幸枝若のレコードは「出せば何でも売れた」という事情があるために

舞台では上演しないネタなのに無理矢理吹き込んだものが結構多いのです。

そういうネタを「幸枝若師匠に教わった」などと言って勝手に上演しているケースもあります。

そういうものはすぐにわかります。

舞台度胸があるのが幸太さんで有無を言わさず人を納得させるパワーがあります。

河内音頭も結構なものです。講談でいうところの「引きごと」(ストーリーと関係あるちょっとした挿話。上手い人になると

ストーリーと関係ない挿話まで入る)も実に巧い。

ここでお仲入り。場内暑いのか最中アイスが良く売れています。

これは弊社の売上になりません。

仲入り後はトークコーナーです。東京の真ん中の生まれの人間にとって

盆踊りとは小学校の校庭や駐車場で夏場に仕方なしにやっている感じがあって、

チリ紙交換みたいな悪いスピーカーで『東京音頭』、『ドラえもん音頭』、『花笠音頭』

やらをまるで脈略なくテープを掛けっぱなしなもんでした。

大阪は今でも廃れたと言いながらも生演奏でこれならいいもんだと思ったもんです。

河内音頭の全盛時代を経験している幸枝若先生、小鉄師匠からもその頃の凄まじい

稼ぎ方をご披露してお開き。昔は一晩中盆踊りはやっていたそうで、『河内十人斬』の

世界を髣髴させます。

お待ちかねのトリは幸枝若先生で『幡随院長兵衛』。

東京で幸枝若先生に江戸の話、それを東京のまん真ん中の浅草で啖呵を切ってもらいたかったのです。

素敵な着物!「サラですねん」と幸枝若先生。この日のために!有難うございます。

幸枝若先生は”踊れる人”ですから所作が綺麗。

普段はテーブルで隠れていますが、全身を見られるとその美しさも際立ちます。

水野十郎左衛門が卑怯にも風呂場で長兵衛を殺害する場面。

歌舞伎では俗に”湯殿長兵衛”と言われる場面。

槍の使い方の見事さ!連続でお目にかけましょう。

 

圧倒的な幕切れ。魂のほとばしりとしか言いようがない。

普段は20分くらいで切り上げちゃう例が多いんですが今回は十郎左衛門の自責まで30分みっちり。

ご来場に改めて御礼申し上げます。来月は大阪で轟きます。

是非ご来場ください。

後列左から、堺家小利貴丸師匠、天中軒すみれさん、天中軒月子さん、天中軒かおりさん、京山幸乃さん、天美小鉄師匠。

前列左から、京山幸太さん、幸枝若先生、一風亭初月師匠。

二日間完全燃焼!お客様とともに幸福な時間を過ごせました。