鶴光の会 その18 公演終了 | 有限会社宮岡博英事務所のブログ

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2023年10月15日(日)は日本橋亭で鶴光の会 その18。

無事公演終了しました。年に2回ですから、9年間続けて来られました。

お客様の御贔屓の賜物です。改めて御礼申し上げます。

当日は都内はマラソン大会で大規模な交通規制がありまして日本橋亭の近くでは

中央通りが封鎖。さらに雨まで降る悪条件でしたが、満員御礼です。

開口一番は既にお馴染みのちづ光さんで『鈴ヶ森』。

次いで笑福亭希光さんが『狸の化け寺』。これは米朝師匠が発掘復活させた作品です。

簡単に言うと地方の工事現場で起こる怪談です。これに希光さんが挑戦。

既に何度もやっているそうですが、時間もありますからフルヴァージョンでお願いしました。

派手な着物が良く映える希光さん。ハメモノ入りで賑やかで楽しい噺。

いよいよ鶴光師匠。『寄合酒』。このネタは随分前から頼んでおりましたが、

中々首を縦に振って下さらず、曰く現代にそぐわない(恐喝、詐欺で品物を手に入れる点)点

に難色を示しておられましたが、何しろ19歳の鶴光師匠が松鶴師匠から教わったネタで、

若い時に激賞されたネタなんですから是非ともと実現しました。

鶴光師匠の落着き、緊張感、可愛らしさが同居した笑顔がいつも素敵。

犬に鯛を”食らわせる”ところ。

東京の「寄合酒」は結構短くまとめてしまうことが多いんですが上方のは

かなり細かな描写が続き、登場人物もその性格も単純でなく

大物の一つにカウントできると思います。

ここでお仲入り。仲入り後はサプライズゲストの里光師匠。

着物持参は芸人の鑑!『十徳』。東京の『十徳』は”一石橋の由来”とでも

呼びたい物識り部分が重要ですが、大阪のは徹底してシンプルでとっても短い。

ですからトントントンと運ばないともたれます。

次いで予定通りの和光師匠が十八番の『大安売り』寄席でもどこでも

お馴染みの他愛ない噺。こういうお相撲さんがお客さんに可愛がられているのも

良い時代としか言いようがありませんな。ノルマである本の宣伝。

さて鶴光師匠のトリネタは『仇の道連れ』。

確か6,7年前でしたか鶴光師匠がネタ卸ししたのは。

これは旭堂南陵先生が伝えた『無名の碑』という

講談で、鶴光師匠は南麟先生から教わって、締めて緩めての鶴光落語にリフォームしました。

鶴光師匠の可愛い柄の着物、よく見るとかんざしですよ。

鶴光師匠の噺には珍しい、悪漢も登場する敵討ちの因果噺。

旅ネタの典型的な話法を放り込んだり、沈む場面に絶妙に放たれるギャグの

キレの良さ。そして時代にキッチリ決める所は決める。それは仕形も同様です。

鶴光師匠の講談愛が充ちた逸品。こういう一種陰惨な物語を軽く料理できる

のが良い講釈師でしたが、その役割を既に鶴光師が担っております。

最後は討つ方、討たれる方が手に手を取っての伊勢参り、これに村人も参加します。

伊勢音頭でお開き。

良い幕切れなのにこんなお粗末な写真を撮ってすみません。

終演後は恒例の手締め。ご来場に改めて御礼申し上げます。

来年の鶴光の会は深川江戸資料館に会場を移して行います。

既に三月の会は前売開始しております。

2024年3月3日(日)昼席

2024年10月14日(月・祝)昼席