「ヘビ除け」には藍染め | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

(天恩郷建設時の話)

 

 “……石を搬出するにはこの「くり石」が邪魔になるので、土とともに堀の中に落とし込んだのである。しかしそのとき相当な石もくり石とともに落ち込んでいた。この落ち込んでいた石を引き上げるのに、くり石を除かなくてはならなかったから作業は実に苦しかった。そうした堀の埋まったところは、いつの間にか雑草などが生い茂り、蚊とヘビと大きなヒキガエルなどが、おびたたしく群生していた。ヘビはマムシの毒のあるのが多かった。からだは短く頭は三角形で、茶色の全身に黒茶色の斑文がある。蟇も太いのがいて、不用意に踏みつけようものならグエッというイヤな声がして弾力のある感触が足に感じると、何とも言えない不快感が起る。最初二回ほど青年がマムシに咬まれた。そこで聖師さまの厳命で、そこらを作業するときは藍染の脚絆に藍染の足袋を必ずはくことになった。それは、マムシは藍の臭いがすると逃げ出すからである。実に素晴らしいのは日本人の長い間の生活の知恵というのか、山や野働きをするときは、必ず藍染のものをその頃の人は身につけた。マムシのみではない、毒のある虫類は藍の臭いを嫌い、遠方から臭いを知ってサッサと逃げ出すのである。”

 

    (「おほもと」昭和45年8月号 大国以都雄『天恩郷建設の神秘(9)』より)

 

*そもそもジーンズも、西部開拓時代のアメリカで、幌馬車の幌の布で作ったズボンを、ガラガラヘビよけに藍で染めたのが始まりだという話を読んだことがあります。ですが、現在市販されているジーンズはすべて化学染料で染めたもので、天然藍のような効果はありません(天然藍にはピレスロイドという成分が含まれているそうです)。とはいえ、今では天然藍(すくも)で衣服を染めるためのキットが市販されており、自宅でも“藍染め”をすることが可能です。防臭、抗菌効果もあり、畑仕事や山登り、キャンプなどをされる方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。