指談 (指と指での会話) | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

(重度の知的障害、意識障害のある方々とのコミュニケーション)

 

 “意識障害にある人も回復する可能性があり、あきらめなければ、思いは伝え合えるということ。その大きな大前提に、誰もが深い思いを持っているということがあります。

 まきのじゅんこさんは、その深い思いとつながって、これまで、たくさんの人の思いを伝えてきました。私はたくさんのご家族が、彼女の方法で、笑顔を取り戻したのを見てきました。また、今、多くのご家族が、指談でお話ができるようになっています。その中には、指に触らないでも思いを読み取れる方も出てきています。

 指に気持ちを集中させて、指の動きを読み取るという方法は確かにとても不思議です。まして、触ってもいないで、読み取れるということは、とても不思議に思えます。でも、私は、そういうことも、いつかは皆に理解されることだと考えています。(以下略)”(山元加津子『私の考える指談のしくみ』より)

 

 

 “私は心身統一合氣道を長年、稽古してきました。心が身体を動かすという「氣の原理」に出会ったのは、平成元年のことでした。

 心や氣は色も形も匂いもありませんが実際に在るものです。合氣道を通じて見えない氣を感じる稽古をしてきたことで、指談(ゆびだん)でお話ができると聞いたときに、そういうコミュニケーションの方法があるということを、すんなりと受け入れることができました。

 

 指談でお話をする方法があるということは、山元加津子さん(かっこちゃん)のメルマガで読んで知っていましたが、実際に見て体験したのは平成二十五年十一月末のことです。指談は未だ常識になっていない、言わば「未常識」の方法です。この方法でコミュニケーションができることを誰もが知っているように、やがて常識になって欲しいと願っています。

 ご家族に指談の方法をお伝えするようになって、指談や筆談ができる方が増えています。それでいっそう、指談は特殊な方法ではなく、誰もが本来持っているけれども使わずに忘れてしまった力、思い出せば使える力のように感じています。

 指談に出あって、〇と /(ばつ)と数字がその場でわかったものの、すぐに言葉は伝わりませんでしたが、教えてもらってから半年くらいして突然に言葉が伝わるようになりました。

 

 身近に指談が必要な方はいなかったのですが、思い返せば、指談の方法を教えてもらった直後に、指談の練習する時間を持てたのは、とてもラッキーでした。

 かっこちゃんが脳幹を活発にすることと指談のしくみは関係があるのではないか、と言っていたので思ったのですが、指談をさせていただく時は、普段とちがう脳の使い方をしている感じがしています。瞑想も脳幹を活発にすることならば、指談の時の感覚が瞑想の状態に少し似ている、と感じても不思議ではないですね。

 

 私の稽古してきた合氣道は「初めての人も正しくやればその日にできる」というものです。もちろん、身体に入るまでには日常の中でも工夫し、潜在意識が変わるまで続けることも大切と考えています。私は合氣道で教えてもらってきたことが、指談の練習にも応用できないかと考えるようになりました。

 二〇一四年に、ある会で指談のお話をさせていただいた時に、私は合氣道のエッセンスでのワークとお話をしました。指先に伝わる微細な動きを感じるセンサーを開くワークを合氣道のエッセンスですることで、そのセンサーが開いて指談ができるようになると思ったからです。

 

 指談をさせていただいた方で、思いを伝えられなかった方はいらっしゃいませんでした。まだ文字を知らないと思われた、とても小さなお子さんや、遷延性意識障害の方、交通事故で大脳全廃と診断された方も、知的障害があるという方も、認知症の方も、重度の自閉症と言われた方とも指談ができました。その時間はとてもありがたくて、温かでした。(以下略)”(まきのじゅんこ『指談の実際』より)

 

    (山元加津子/ まきのじゅんこ「指談で開く言葉の扉」ろばの耳より)

 

*この「指談」とは、何らかの障害で言葉をしゃべれず、文字も書けなくなっておられる方と、言葉ではなく指でコミュニケーションをとろうとする方法です。最初は手話の一種かと思ったのですが、そうではなくて、手と手を合わせて相手の指の動きを感じ取ってそれを言語化するのだそうです。この本の中には、その具体的なやり方についても写真入りで紹介されているのですが、重度の知的障害者や、言葉を修得する前に障害を負ってしまった方、そして意識の無い植物状態の方との対話も可能らしく、さらには指に触らなくてもコミュニケーションがとれる方もおられるということで、にわかには信じがたい内容です。とはいえ、高僧や武術の達人など高い境地に達した方々には、他の人が考えていることがわかるという話はしばしば耳にしますし、おそらく、そういった重度の障害者の方の場合は、指の動きを読み取っていくというよりは、指を接触させることで(あるいは接触させなくても)直接相手の意識を感じとり、受け手の脳内で言葉に変換しているのではないかと思われます。ただ普通の人でも、このような神わざ的なことができるのかが疑問なのですが、ここに紹介させていただいた、まきのじゅんこさんという方は、思いを伝えられなかった方はいらっしゃらなかった、と言っておられます。私自身、自分の目でこの「指談」が事実なのかを確認したわけではありませんが、確かエドガー・ケイシーによると、人間の潜在能力は、他者に奉仕しようとするとき、特別な力、信じがたいほどの力を発揮するということなので、実際に可能なことなのかもしれません。ちなみに、作家の田口ランディさんも、この指談を広めるための活動をしておられるようです。