クリスマスについて (シュタイナー人智学) | 瑞霊に倣いて

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  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・クリスマスについて (シュタイナー人智学)

 “……クリスマスは冬至の日とほぼ一致します。…〈中略〉… 闇がもっとも深まる冬至の日は、逆にこれから光が強まっていく出発点とみなすこともできるわけです。
 このような光と闇のバランスの変化は、人間の内なる魂にも影響を及ぼします。秋が過ぎて、寒くて暗い冬がやってくるにつれて、人間の魂は次第に自己の内面に向かいます。そして闇が深まる冬至の頃、人間の魂は、内面の一番深いところまで降りていくのです。
 しかし、人間は魂の奥底に到達したとき、今度は逆に光が蘇ってくるような感覚をおぼえます。もっとも闇が深まれば、もうそれ以上、闇が勝つことはありません。深い闇の底に到達したとき、人間は、おのずと「もうこれ以上闇が増大することはない。これから先は、少しずつ光が闇に打ち勝っていくだろう」という予感を抱くのです。
 闇は徐々に強まっていくときにのみ、我々を圧倒することができます。その強さが最高潮に達したら、あとは闇は後退していくしかありません。冬至の頃、私たちの魂は、このような闇と光のバランスの変化を、なかば無意識のうちに感じ取るのです。
 クリスマスのお祭りでは、ロウソクやランタンが灯されます。
 闇の中に輝く小さな灯りは、私たちの魂の中に灯った光の象徴です。ロウソクは私たちの魂の光そのものなのです。
 一年の中で、もっとも寒くて暗い時期にやってくるクリスマスに、私たちは、「もう、これ以上つらいことは続かないだろう」という予感を抱きます。クリスマスがやってくるということ、それ自体が、私たちにとっては恩寵なのです。そのために、キリスト教の洗礼を受けているかどうか、ということとは関係なしに、すべての人が、クリスマスというお祭りを通して、おだやかな慰めの気分を感じ取ることができるのです。”

(トマス・ベルガー/ヘルガ・マイヤーブレーカー「シュタイナー教育クラフトワールド vol7 クリスマスクラフト & ローズウィンドウ」イザラ書房より)