宣霊社(霊界の宣伝使たち) | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 

 

・宣霊社(霊界の宣伝使たち)

 

 “「……これが、御神諭にある、人民は結構なもので、神にまつりてやるぞよとあるその一つですか」と尋ねた。すると、「まだ判らんのか、霊界の宣伝使がたむろするところで、決して祖霊のような霊舎ではない。霊界の宣伝使は霊舎に集まっていて、神命を受けて、それぞれ活動するのじゃ、また現界の宣伝使は使命を受けると、この霊舎にまいって報告し、霊界の宣伝使と現界の宣伝使が交流し、現幽一致の働きをするため、力を合わせて活動するための窓口じゃ。宣伝使が昇天したら神に祀られるという、そんな意味の霊舎ではない。間違うてはならぬ。いわゆる昇天した霊魂を祀る霊舎は綾部にあるじゃないか。霊国は主に活動の世界であり、天国は祭りの世界だ。これから、この霊舎ができたら、宣伝使に命ぜられたものはもちろん、宣教の使命をもって地方に出かけるものは必ずここに報告し、霊界現界の力を合わせて活動するのが原則じゃ。よくみなにも伝えてくれ」と厳しい顔して仰せられた。

 大正十五年一月九日、霊舎が完成し、宣伝使の霊を祀られた。そのとき小高一栄、井上明澄、外山豊二の三人の霊が鎮められた。そして、この霊舎を「宣霊社」と名称するようになった。ここで一言、そのときのことを回顧して書いておきたいことは、宣霊社は、昇天した宣伝使を祀るという、いわゆる霊舎ではないということである。霊国に属する宣伝使は、現界では地上の霊国である天恩郷に籍をおいており、昇天したら霊国に入って、エンゼルとして、神命を受けて活動するというのが霊界物語に明示されてある。ところで、天国のすがたが地上に映像すと同時に、型の世である地上即ち現界が天界に映像する。したがって霊現不二の原則で、現界に型をつくると、天界に大きく反映していく。だから、瑞の御霊の国土である天恩郷の地上霊国に活動機関が設置されると、天界の霊国にも反映して活動機関ができあがる。宣霊社は、本来、聖師さまが光照殿をつくるなかばから、宣伝使会館をつくらなくてはならぬと、口ぐせのように言っておられたが、大神様の宮や、その他の重要の神館ができないのでおくれていた。しかし天恩郷は事務所でもどこでも宣伝使会館としての用務が足るのであるが、天界は、現界のように融通自由というわけにゆかん。それで天界のエンゼルのたむろするところの型として、月照山に宣霊社を建てられた。したがって宣霊社は、現界の宣伝使が昇天したから、生前の功績を賞でられて神として祀られるところなどと考えると大きな間違いになる。聖師さまは、後にも、宣霊を祀るとき、「大国、こうして宣霊を祀ってやるのは、神様の見直し聞き直しして、天界でも引き続き働かせるということで祀るのじゃ。また天界にも活動する宣伝使が足らないから祀っているのじゃが、聞くところによると、昇天した霊を祀る霊社と同じに見ているものがおる。大きな罰当りじゃ。生前どれだけの功績があったと思うとるのじゃろう。厳密に審査したら、神様から賞せられるほどの功績というものは、ないものが多いのじゃないか。瑞(みづ)の御霊様の御心で、霊界で働かせられ、はじめてエンゼルとしての資格ができるといってよい。だから宣霊社は霊国の宣伝使の活動する拠点で、綾部にあるような霊舎ではない。大本でも、開祖さまをお祀りする開祖殿はあるが、生前の功績によって、神様に祀ってある昇天者はまだ無いのじゃ。間違えるなよ」と何回も言われたことを今なお肝にきざみこんでいる。”

 

    (「おほもと」昭和45年10月号 大国以都雄『天恩郷建設の神秘(11)』より)