天使的人類(ダウン症とルドルフ・シュタイナー) | 瑞霊に倣いて

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  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 

・天使的人類 (ダウン症とルドルフ・シュタイナー)

 “・・・〈モンゴル児〉問題についていち早く関心を持ったシュタイナーは、ここで彼らの「天使性」ということを問題にする。彼らは第一に民族分化以前の人間の容姿を持ち、博愛という形の愛だけを持ち、彼らに接する通常人に対しては「醜さや奇怪さではなく愛らしさ」の印象を与えるのだ。これらの特徴は、彼らが「元型人」としての天使のイメージに近づいていることを示す証拠ではないのか?彼らの「いとおしさ」には、おそらく生物学的な裏付けがあるのだ、とシュタイナーは言う。それはかつてすべての種が一つの形態であった事への超記憶的な郷愁かもしれない。”

 “・・・この〈モンゴル児〉は端的に言って〈私〉という単語を持たない。自我の存在しない精神体なのである。ダウン症候群を研究したC・E・ペンタによれば「ほとんどすべてのモンゴル児が同じ容貌をしているのは、彼らが個性的差異の発現を生む機能の欠損により、民族的並びに家系的特徴を失っているという事実に起因している。その結果、心も体も永遠に成熟しない未完成な幼児が出来上がる」のである。これは〈前人類〉であり、〈パラダイス人〉であり、人間の元型―〈人間〉という言語が想起させる心霊的な原イメージの個体と同義である。事実、ルドルフ・シュタイナーは、モンゴル児の容姿が妙に愛らしく訴えかけ、その未熟な肢体が醜さではなくいとおしさを感じさせる理由を、その元型性に求めている。とすれば、〈モンゴル児〉は退廃化した現代社会に現われたある種の天使のメッセージだろうか?”

 “〔シュタイナーの意見〕シュタイナーはモンゴル症児について並々でない関心を抱き、ハンディキャップを背負った子供たちに精神治療という温かい手を差し伸べた。そしてとりわけ、進化論の立場からダウン症候群に対して述べた彼の意見は興味深い。それは進化した生物ほど幼年期が長く、その特徴として肉体の各組織が特殊化する(専門的機能に分化する)ことが遅れるという事実である。そして人間の子や類人猿の子が互いによく似ている現象こそ、「幼児の方がより〈真の人間〉に近いことを物語る証左である。なぜなら、分化せぬ肉体を常に持ち永遠の若さの中で生存し続けることこそ、生物進化の究極だからである」と考えた。これがつまり〈自由〉である。自意識を持ち、人間の成人となることは、その意味で言うなら「これ以上の進化を拒否した状態」にほかならないのである。”

          (荒俣宏編「世界神秘学辞典」平川出版社より)

 

 

・障害児のためのエドガー・ケイシー療法(ヒマシ油シップ)

 “妻のグラディスが行動過剰の子供にヒマシ油を使ったのは約12年前のことで、その理由は子供が暴れるからではなく。腹に痛みを訴えたためだった。診療室で調べてみたが、虫垂炎も他の症状も見られなかったため、胃の不調を助けてくれるヒマシ油湿布をとりあえず施した。最初この子が来たときは、他の行動過多症の子供と同じく、大変な騒ぎようだったが、腹部にヒマシ油湿布を施してから二ヶ月後に再受診した時には、ジミーは完全に変化していた。彼は普通の子と同じように振る舞い、雑誌のページを破いたりドアや引き出しを開け閉めすることもなくなった。
 私たちが、神経に撹乱のある子供にヒマシ油を使いだしたのは、このとき以来である。湿布は常に沈静させ、癒す効果を与えるようだ。アーニー・ペッシー博士も「微小な脳機能障害」の子供たち16人を扱うのに似たような方法を使った。子供たちは、アーニーが主任医師を務めるカリフォルニア州オークランドのコントラコスタ郡立病院で治療をうけた。うち半数は、腹部ヒマシ油湿布と特別食、ビタミンE、Cおよび総合ビタミン剤の補給を受け、残り半数は5週間の試験期間中は治療を施されなかった。両グループの子供たちは、いずれもこの試験期間の前後にいくつかの方法でテストされた。教師や心理学者とともに、両親も評価に加わった。そんな短い期間では世界をゆるがすような発見はなかったが、治療を受けた8人のうち6人までが回復したのである。報告された結果は興味深い。眠りのパターンが改善され、体重が増し、行動過多症が減じ、肌の色は改善し、記憶もよくなった。子供たちはおとなしくなり、よく話すようになり、視力もあがった。”

 “「ダウン症候群」についての回覧ファイルを借りたあるAREメンバーが、それを応用した一部始終を書き送ってきた。この症状を持って生まれてきた彼女の子に、リーディングに基づいた治療をしてくれる医者はいなかったようだ。そのため、自分で始めなければならなかった。「たとえ、誤ったとしても、何もしないよりは何かをした方がましである」というケイシーの言葉が思い出される。ともかく、この女性は「何か」をした。しかもそれは間違っていなかったのである。以下は彼女の話である。

 「先生は、このファイルがどのように助けになったかをおたずねになりましたが、ご報告させていただきます。私どもの子はダウン症で生後6ケ月間、オリーブ油、ピーナッツ油、ヒマシ油を等量加えたもので、毎晩この子をマッサージし続けました。私たちは今、ケイシー氏の勧めた調整のために、週二回、子供をAREのカイロプラクターのもとに連れて行っております。かなり勇気づけられました。感覚が鋭敏になり、よく反応するようになりました。食欲も排泄も改善されました。体も強くなり、‘75年8月19日の一回目の誕生日には、『手をたたいてごらん』と言うと、パチパチたたくプレゼントをしてくれました。神様の“驚くべきお恵み”に感謝しております。」

 脳に損傷を受けた知的障害の子供らに対して与えられた沢山のリーディングの中で、このような子供への手当をする立場にある人は、子供たちを正常に戻したいと思うのであれば、愛情のこもった、祈りのこもった姿勢をとるべきである、子供たちにしてあげるどのようなことにも、忍耐強く、持続力のある、首尾一貫した姿勢で臨むべきである、と指示されている。”

      (ウィリアム・A・マックギャレイ「21世紀の医学」中央アート出版社より)