日本とイスラエル | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・日本とイスラエル

「日出島とパレスチナとは何か一つの脈絡が神界から結ばれてある」

 

 “『この世界の人類は、皆神様の同じ御水火より生れたる尊い御子でございますから、吾々人類は皆兄弟でござります。しかしながら今日の状態では到底吾々宗教家が何ほどあせつた所で駄目でございませう。偉大なる救世主が現はれて整理して下さらねば乱麻の如き世界は到底収拾する事は出来ますまい。しかしこの二大勢力は一旦、どちらが天下を統一するとお考へになりますか。常世の国でせうか、日出島でございませうか。貴方のお考へを承はりたいものでございますが』

 『到底人間の分際として神様の御経綸は分りませぬが、私がルートバハーの教示により、おかげを頂いて居りますのは、将来の国家を永遠に統御すべき人種は決して常世の国人ではなからうと思ひます。二千六百年、亡国の民となつて居つた讃美郷の人々は先達の大戦争によつて神から賜はつたパレスチナを回復し、今や旭日昇天の勢でございます。そしてその人種の信仰力、忍耐力並に霊覚力と云ふものは、到底世界に比ぶべきものがございませぬ。私は先申しました二大勢力よりも、も一つ奥に大勢力が潜み最後の世界を統一するものと神示によつて確信して居ります。ユダヤ人は七つの不思議があります、それは、第一、万世一系の皇統を戴きつつ自らその国を亡ぼした事、第二は亡国以来二千六百年なるにも拘らず、今日も尚依然として吾等は神の選民也と自認してゐる事、第三は二千六百年来の亡国を復興して、たとへ小なりといへどもパレスチナに国家を建設した事、第四は自国の言語を忘却し、国語を語るものを大学者と呼びなすまでになつて居つてもその国を忘れず、信仰をまげない事、第五はいかなる場合にも決して他の国民と同化せない事、第六には亡国人の身を持ちながら不断的に世界の統一を計画してゐる事、第七は今日の世界全体は政治上、経済上、学術上、ユダヤ人の意のままに自由自在に展開しつつある事です』『成程それは実に驚くべきものでございますわ。いかにも神の選民と称へられるだけありて偉いものでございますわい。それから、一方の奥の勢力とは何でございますか』

 『それは日出島の七不思議でございます。先づ第一に万世一系の皇統を戴き終始一貫義を以て立ち、一度も他の侵略を受けず、国家益々隆昌に赴きつつある事、第二は自ら神洲と唱へながら自ら神の選民または神民と称ふるものの尠い事、第三は王政復古の経歴を有するも未だ一度も国を再興したる事なき事、第四は国語を進化せしめたるもこれを死語とせし事もなく、従つて国語を復活せしめた事のなき事、第五は同化し難い国民のやうに見ゆれどもその実、何れの国の風俗にも同化し易く、かつ何れの思想も宗教も抱擁帰一し、ややもすれば我生国を忘れむとする国民の出づる事、第六は一方常世の国は世界統一のためには手段を選ばざるも、日出島は常に正義公道即ち惟神によつて雄飛せむとする事、第七は世界は寄つてかかつて日出島を孤立せしめむと計画しつつあれども日出島は未だ世界的の計画を持たず、ユダヤとは趣を異にしてゐる事であります。これを考へて見ればどうしても、この日出島とパレスチナとは何か一つの脈絡が神界から結ばれてあるやうに思はれます。一方は言向和すを以て国の精神となし、征伐侵略等は夢想だもせざる神国であり、二千六百年前に建国の基礎が確立し、ユダヤはまた前に述べた通り二千六百年前に国を亡ぼし、そして今やその亡国はやうやく建国の曙光を認めたぢやありませぬか。私はきつとこのエルサレムが救世主の現はれ給ふ聖地と固く信じ万里の海を渡り雲に乗つて神業のために参つたのでございます』

 『今貴方は雲に乗つて来たと仰せられましたが飛行機の事ぢやありませぬか』

 『いえ雲と申しますのは自転倒島(おのころじま)の古言で舟の事でございますよ。雲も凹(くぼ)に通ひますから舟に乗つて来るのを雲に乗つて来ると聖書に現はれてるのですよ』

 『成程、それで救世主の雲に乗つてお降りになると云ふ事も諒解致しました。いや有難うございました。お邪魔を致しまして……またお目にかかりませう。ちつと御寸暇にお訪ね下さいませ。ヨルダン川の辺に形ばかりの館を作つて吾々の信者が集まつて居りますから……』

 『ハイ、有難うございます。何れ近い中にお邪魔を致します。左様ならばこれにてお別れ致しませう』 

                    (大正十二年七月十二日、旧五月二十九日 北村隆光録)”

 

           (「霊界物語 第六十四巻上」『大相撲』より)