物語の音読は言霊の妙用 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “音感覚にすぐれていた聖師の声は、少し高いが女神のようにすきとおっている金玉(きんぎょく)の音であった。一度聴けば生涯絶対に忘れることのない不思議な慈力をもっていた。王仁師の著述はこうした口述筆記が大半である。弟子たちに口うつしに血肉と化した思想を伝えることに実に多くの時間を費やされている。

 弟子たちの「なぜ口述や音読の必要があるのか」の問いに対して「霊界物語は瑞の御霊(救世主)の口から出た誠の言葉、聖言であるからその言を全部響かせなければならない。それで音読をせよというのだ。音読によって精霊的に悟る。文字でもって人を改心させるのではなく、音霊をもって人を言向けやわす、その法則によった口述と音読である。音読していけばいつのまにか自分も浄化されていく、同時に瑞霊の言霊の使い方を皆が覚えてくる。人と対話をしたり、社会生活において、そういう言霊がそれとなく出て来て、いつとはなしに社会を浄め、なごめることになる」と答えられている。自らの思想に対する絶対的な自信である。

 王仁師自身も生涯「物語を聴かせてくれ」と近辺のものに常に音読させられていた。それは臨終の床でも変わらなかった。”

 

         (「人類愛善新聞」昭和51年11月1日号)