万教帰一 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “世界の統一を武力や権力でやった場合は、先に力が出た時は一方を圧倒して争乱の絶え間なく、永久の平和を招来することは望まれない。だからどうしても世界の同胞が精神的、宗教的、道義的に結合することが何よりも一番大切である。
 愛善苑で唱道する宗教帰一は各宗教を一宗教に統合するの意ではない。各々の意志想念が違っているように各々の宗教も違っているのであるから、大きな目で見た場合は名称は神であろうが、佛であろうが、キリストであろうが何でもよいのである。すべての宗教団体や思想界が宗教の本質、すなわち信真と愛善に帰一したならば、回教でもキリスト教でも精神と精神とは宗派、民族、国境を超えて統一結合されたことになるわけである。
 この宗教帰一の前提として現代宗教は真の宗教にかえることが緊要なのである。すなわち各々の宗教が形式や教義の枝葉末節である説き方に、拘泥したり、あるいは誤った信仰から自我を張っていては、宗教はいつまでたっても帰一しない。よろしく各宗教家は現下の世界人類の希求が奈辺にあるかに想いをいたし、宗教帰一への鋭い自己反省をなすべきであろう。”(「愛善苑」昭和二十一年十二月一日)