「神示の宇宙」について (霊的天動説)  | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・霊界物語 第四巻 「神示の宇宙」について

  *この「神示の宇宙(1)~(5)」の章では、地球は球体ではなく地平であり、その地平と太陽を中心とする天空がそれぞれ共に傾斜運動をしていると述べられています。要するに地動説ではなく、ある種の天動説であって、発表当時から多くの信徒たちの頭を悩ませ続けています。

 

伊藤 霊界物語は科学的にも一大権威をもってのぞまれているのでしょう、が、今のわれわれの頭脳では、そのまま受け取れるところまでいっていないものもありますよ。西村光月さんが大本の欧州本部長としてパリ―におられたころ、霊界物語の中の〈神示の宇宙〉をエスペラント語に訳して出版された。ところが、あちらこちらから質問がくるので「訳者にも判らん」と返事したところ、―無責任だ―といって怒ってきたそうです。パリーであれを出すなんて勇敢だと思って感心したのですが、私はね、〈神示の宇宙〉について聖師さまにお伺いしたのです。聖師さまはお立ちになって「地球ていうけどカラ傘みたいなこんなかっこうや、中心が北極や、それがこうして廻転しとる」なんて言われまして、聞いているとナルホドと思いましたね。ところが後になると又わからない。

桜井 いや、そうなんです。その時はナルホドと思う。後で考えると、わからない。であれば、もう少し次元の違った見方に切り替えてみないとわからないのだと思う。〈神示の宇宙〉をご口述になった後で、「こんなことを書けば世間の学者はワシを狂人だと思うだろう」とそれまで自覚して発表しておられます。

木庭 それだからかなわないですね。で、今、理解できないからといって、おろそかにできません。―聖師さまの御文章でも〈神示の宇宙〉は信じられない―という人もいますが、第一巻から第八十一巻まで聖師さまの考え方はアレで一貫しているのです。大正七年ごろの御論文からアノ御主張は変わっていません。で、あれを抜くことはできません。これは、どう受けとるかということだと思います。  (「霊界物語資料篇」 『御口述の思い出』)

 

 

・ルドルフ・シュタイナーの主張  (霊的天動説)

 “ですからコペルニクスの宇宙説とプトレマイオスの宇宙説とを比較するときには、プトレマイオスの説の中には、指導霊たちの位置関係が示されていることを知らねばなりません。そしてそれを知るには、地球を遠近法の出発点にしなければなりません。いつか将来、この宇宙説がふたたび正しいとされるときが来るでしょう。それは人間が霊界のことをふたたび知るようになったときです。おそらくそのときの人間は、現代よりも狂信的ではなくなるでしょう。私たち現代人は言うでしょう。―コペルニクス以前の人びとは天体の運行に関してナンセンスなことを語っていた。まだ原始的な宇宙説を信じていたのだ。コペルニクス以後、私たちはやっと正しい宇宙説を知るようになった。すべてコペルニクス以前の立場は間違っている。これからは、未来永劫に到るまで、数百万年後にあっても、コペルニクスの地動説は正しいであろう」と。

 現代人は大体こんな考え方をしているのです。現代の天文学の分野におけるほど、狂信が支配したことはめったにありません。未来の人びとはおそらくはもっと寛容であってくれるでしょうが、それでも次のように言うことでしょう。 「十五、六世紀以降、人びとは霊界が存在することを知らなくなった。そして霊界には別の遠近法があり、天体は単に物質的に観測するときとは異なる秩序にも従っていることを忘れてしまった」”

     

      (ルドルフ・シュタイナー 「シュタイナー霊的宇宙論」 『霊的に見た天動説』より)