「立替え」についての誤解 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “私自身いまだに深い理解はできておりませんが、霊界物語ご口述にお仕えし、理解させていただいた範囲をお取次いたします。霊界物語は歴史であり、教訓であり、また教祖のお筆先の解説書でもあり、さらに大神劇の脚本でもあります。教祖のお筆先は断片的で、せりふ書きのみであるから、物語によらなければ神界の真相は分からない、と霊界物語の序文に書かれております。

 私の入信当時は、今日のように豊富なご神書類もなく、教祖のお筆先と聖師の論文があるだけで、そのうえ当時は印刷の技術が悪かったのですから、私たちはもっぱらランプの光のもとでお筆先の原本を浄写したものです。ところが先ほど申しましたように、筆先は断片的に書かれてありますから十分に理解ができません。『立替え立直しをいたすぞよ』『早く改心してくだされよ』とお示しがあっても、〝立替え立直し〟とはいったいどんなことなのか、〝改心〟とはどうすることなのか、といった調子でさっぱり意味が分からない。ですから当時の信者は思い思いに勝手な解釈をしておりました。

 大正十年の第一次大本事件が起こる前までは、〝天地がひっくりかえる〟とか〝日本もなくなってしまう〟それが立替え立直しである、というような解釈をし、また宣伝したわけです。ところが聖師は側近に『そんなばかなことがあるか。そんな立替えだったら誰も生きちゃおらん。みんな死んでしまう。そんな世の中になって何がいい世の中だ。そんな滅茶苦茶なことをして〝みろくの世〟がくるもんか。ばかなことを言うな』と言っておられました。“

 

        (「おほもと」昭和52年2月号 『聖師と霊界物語』 大国美都雄)