人工衛星の落下、太陽活動で早まる
Photograph by Takashi Ozaki, Yomiuri Shimbun/AP
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その命運はすでに尽きているかもしれない。
しかし近日中に地上への落下が予想されるNASA
の「上層大気観測衛星(UARS)」は、ひっそりと
消え去るつもりはないようだ。
重量6トンのUARSは、科学者の予想に反して
落下の速度を増しており、現時点の予測では
米国東部夏時間9月23日に大気圏に再突入する
ものと見られる。
わずか2週間前、アメリカ政府の科学者たちは
衛星の落下について遅ければ10月初め頃になる
可能性もあると予測していた。
NASAの軌道デブリの専門家マーク・マトニー
(Mark Matney)氏は、「衛星の高度低下が当初
の予測よりもやや速いため、どちらかというと
早めに落ちてきそうだ」と話す。
マトニー氏によると、落下速度が速いのは、
太陽から放射される紫外線量が最近一時的に
急増したためだという。紫外線放射の増加に
より地球の大気圏が拡大し、そのため衛星への
抵抗が増して落下速度が上がったのだ。
◆500キロ以上が地表に落下か
UARSの機体は大半が大気圏内で燃え尽きる
と専門家は予測する。
しかし、おそらく500キロ以上の残骸が燃え残り、
地表に激突する。そのまま地表に落下する最大
の部品は、重さ150キロ超の衛星の枠組みで
ある可能性が高い。
しかし、こられの部品がどこに落下するかは
まだ分からないとマトニー氏は言う。
落下場所について現時点で科学者に言えることは、
「宇宙ゴミの落下範囲」が北緯57度から南緯57度
までの間のどこかということだけだ。
つまり、地球上の人口稠密地域のほぼ全域である。
◆世界の誰かに当たる確率は3200分の1
UARSは、1991年から2005年まで地球大気に
関するデータを収集していた。
この衛星が設計されたのは、宇宙ゴミに対する
懸念が持ち上がるよりずっと前だった。
UARSプロジェクトを率いた中心的な科学者の
1人であるミシガン大学のウィルバート・スキナー
(Wilbert Skinner)氏は、開発段階では、設計者
たちはいかにして衛星を無事に軌道に乗せるか
だけを考えていて、それがどのように終わりを
迎えるかまで思いが及ばなかったと話す。
「衛星が最終的にどのような運命をたどるか
などということは、一瞬たりとも考えなかったと思う」
とスキナー氏は振り返り、当時はそのような懸念は
「バックグラウンド・ノイズ」にすぎなかったと付け
加えた。
衛星の最後の大気圏突入は劇的なものになり、
付近の人々は光のショーを目撃することだろう。
しかし、地上の誰かに危険が及ぶ可能性は低い。
NASAによれば、UARSの破片が人間に当たる確率
は3200分の1だという。
「パニックになる必要はない。ヘルメットを被る必要
もない。
(人間に危害が及ぶ)可能性はきわめて低い。
私たちがふだんまったく気にしていない日常的な
リスクと同程度だと断言できる」とマトニー氏は
話している。
Photograph by Takashi Ozaki, Yomiuri Shimbun/AP
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http://ameblo.jp/chouchou1221/entry-11021463199.html
カムチャツカ半島の火山、テラが撮影
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NASAの地球観測衛星テラがとらえた
ロシアのカムチャツカ半島(9月5日撮影)。
中央でキジメン火山が噴火しており、
立ちのぼる小さな噴煙は白色に、周囲の
植物は赤色に着色加工されている。
この地域を写した以前の衛星画像と
比較すると、成層火山の成長に伴い変化
した地質が鮮明に把握できる。
同一の火口から繰り返された噴火によって、
周囲には溶岩流と火山灰や火山岩、噴石
などの層が交互に積み重なっている。
Image courtesy NASA
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