【10月13日 AFP】世界中の炭素排出量が特に冬季に急増
していることが、地球を周回する米航空宇宙局(NASA)の
人工衛星で収集したデータで明らかになったとする研究結果が12日、
発表された。
研究では、地球温暖化を促進する汚染物質の濃度上昇に関する新たな
知見も得られたという。
米科学誌サイエンス(Science)に掲載された5本の研究論文は、
NASAが2014年に打ち上げた軌道上炭素観測衛星2(OCO-2)で
収集したデータに基づくもの。
OCO-2の任務は、化石燃料の燃焼で生成される主要な温室効果ガスの
二酸化炭素(CO2)が地球全体をどのように移動し、そして時間によって
どのように変化するかを調べることだ。
論文によると
「北半球の炭素循環に著しい季節変化がみられることを、OCO-2のデータ
は示している。春季には陸生植物による炭素の劇的な吸収が起きる」が、
「冬季には、植物の炭素吸収量が最小になる一方、植物由来物質の分解
や腐敗によって炭素が大気中に戻される」のだという。
このサイクルに中国、欧州、米国南東部などにおける化石燃料の燃焼
で継続的に排出される炭素が加わる結果、北半球の炭素濃度は4月に
季節的なピークに達すると、論文は説明している。
そして春から夏が近づくにつれて、植物による炭素の吸収量が再び
増加し始める。
また、今回の研究では、エルニーニョ(El Nino)現象として
知られる海水温度の上昇が原因で、熱帯地方の炭素放出量が過去数年
に比べてはるかに増加していることが分かった。
エルニーニョは、太平洋(Pacific Ocean)の海面水温と気圧を変動させる
天候パターンで、1回発生すると数年間続く可能性がある。
論文によると、2015年に放出された炭素は、同年に発生した
エルニーニョが原因で、2011年の放出量を
約2.5ギガトン(25億トン)上回ったという。
この変化を促進させたものについては、
「主に南米の降水量低下とアフリカの気温上昇」としている。
熱帯アジアにおける炭素放出量の増加の大部分は、
バイオマス(化石燃料を除く生物由来資源)の燃焼に起因していた。
気候変動により今世紀末までに南米の降水量がさらに減少し、
アフリカの気温がさらに上昇することが予想されるため、熱帯での
増加傾向には拍車がかかるに違いないと研究者らは警告している。
熱帯では多量の炭素が吸収されるため、従来は化石燃料排出物への
緩衝装置として機能してきた。
(c)AFP






