花風社が創立25周年を記念して、浅見淳子さんによる読書会がありました。
今回の本は「自閉症者の犯罪を防ぐための提言」でした。
浅見さんはかつて自閉症と診断された成人男性から受けた迷惑行為に対して、民事訴訟と刑事訴訟の両方で勝訴していますが、この本にはその時のことが書かれています。
本人はもとより親や支援者の中には
「障害者なのだから仕方がない」
という思考の人達が少なからずいて、事件を起こした時に障害を言い訳に罪から逃れようとする事もあります。
そんなつもりではなかった。
という逃げ口上がまかり通る集団の中に身を置くと、正常な判断が鈍くなって自分は間違っていない。悪いのはこんな風に誤解させた相手が悪い。
というおよそ理由になっていない言い訳で罪から免れると本気で思っているかの様な稚拙さ。
わたしは以前から自閉症と診断された子どもを持つ親として、チョロちゃんに関しては上の子ども達とは違う思考パターンを持つ事を理解していたので、そこに気をつけて育ててきました。
自分勝手な価値観を持ったり、自閉症だから(或いは特別支援学級にいるのだから)大目に見てもらえるなどという勝手な思い込みをしないようにです。
法を犯したら処罰されるのは当然だという事を小さい頃から教えてきました。
それでも他害が酷かった小学校中学年から高学年くらい迄は葛藤がありました。
身体が育って(整って)くると脳みそにも余裕ができて、冷静に考えたり自分の感情をコントロールする方法を身に着けます。
今日の読書会で話された経験の中に、矯正の為に教えた事がうまく伝わった事例が話されていました。
そうじゃないとどうなるか?
偏った思考パターンがどうでも良いことに執着し過ぎて平穏だったはずの日常生活をダメにしてしまう事もあるのです。
今は神経発達症だから治る。
という事がわかっていますが、親や支援者の中にはそのことを脳内更新できずにいて、それを今でも当然のように若い世代のお母さん達に伝えているようです。
かつて大きな親の会が主催する講座に何度も参加して気づいた事は、それを管理をする立場の人達の子どもの殆どが特別支援学校や就労支援センターに通っているという事実です。
「治る」とか「治す」という意識が全くないのですから、周りが理解して許容すべきだと考え、他の人達にもそう伝えます。
ある時、中学生の男の子が女の子の後をつけ回し警察に通報される、という事件があった時、その子のお母さんは意気消沈しましたが、周りの保護者の中には
その子に悪気はなかった。
とか、
危害を加えたわけではないのに…。
と勘違いも甚だしい思考の人達もいました。
目に見える傷は負わせていないかもしれませんが、知らない(例え知っていても)男子生徒に後をつけられるのは精神的に大きな恐怖やダメージがあり、だからこそ警察に通報されたのに、そこら辺の認知が一般社会と大きくズレているのです。
保護者会で
「ウチの子は発達障害なので、暴れたり暴力を振るったとしても大目に見てください」
と、言った保護者がいた。と教えてくれた人がいました。
他の人達は引いていたそうですが、御構い無しでそれが当然だという態度だったそうです。
その人の事を知っていますが、その後、色々トラブルを起こし引っ越して行きました。
保護者の側に問題があるケースも少なくないと思っています。
親の会と言っても実際に自分の子ども達が学校に通っている現役の子育て世代のお母さん〜そして子どもを治している〜がいない所に行って相談したとして、一体どんな指南が期待できるというのでしょう?
今は早い段階で治せるようになってきているし、例え就学に間に合わなくてもその子に合ったアプローチで、義務教育期間中には帳尻を合わせられる(治すことができる)ようになっています。
後はするかしないか?の問題。
早い段階で(子どもが小さいうちに)何とかしようと頑張れば、将来、子どもが社会の中で頑張れるようになるのです。
どちらが子どもにとって良いのか?
を考えたら自ずと答えは出てきます。
どうするか決めるのは自由です。
誰の為、何の為に選び決めますか?
凸凹育児を頑張っているお母さんへ
今日も一日お疲れ様でした
明日も一緒に楽しみながら頑張りましょう
おやすみなさい💤