道中、砂利が敷かれた空き地のちょうど真ん中で、1枚の葉っぱが奇妙な動きをしているのを見かけた。
葉っぱの軸の部分が大き目な砂利と砂利の間に挟まったらしく、風が吹いているわけでもないのに、まるで「パラパラを踊っている」みたく、左右にピロピロ揺れている。
砂利と砂利の間に虫でもいるのかと思うくらい、面白い動き方をしているので、思わず立ち止まって凝視してしまった。
…と書いてみたが、私が見た光景は、これでは全然不十分なのである。
あの葉っぱの形状、その動きをどうしたらリアルに表現できるか。持てる語彙を駆使してみたが、「パラパラを踊っている」だの「ピロピロ揺れている」だの、なんとも稚拙な表現しか思いつかない。
こういうの、小さい子どもは見事に言い表すんだよな。
私のほうがたくさん言葉を知っているのに、なぜ小さい子どものように言い表せないんだろう。
見たままをそのまま言葉にするだけのことなのに、大人になると、なぜできなくなってしまうんだろう。
踊る葉を見ながら、今の状況をどう表したらいいのかしばし考えたが、全然浮かんでこなかった。
ただ、「あの葉は、無我夢中で楽しく風に吹かれている」のか、もしくは真逆で「何とかして、砂利の間から軸を抜きたい」と思っているのか、迷っただけだった。
葉なるもの 枝から離れて 死か幸か
鞠子