終盤、悪いヤカラがずらり勢ぞろいしたところで、皆の者の前に立ちはだかった黄門様が、
「助さん、格さん、こらしめてやりなさい」
と言い放ったのをきっかけに、チャンバラが始まる。
そうして悪代官(?)の手下がバッタバッタとやられ、ほぼ全員倒れたところで再び黄門様が、
「助さん、格さん、もういいでしょう」
と言う。
それをきっかけに、黄門様を挟んで助さんと格さんがキリリと立ち、
「この紋所が目に入らぬか。ここにおわす方を誰と心得る。さきの副将軍、水戸光國公にあらせられるぞ。一同、頭が高ーい。控えおろーう」
と印籠をかざしながら言い放つ。
そうして一同、土下座スタイルとなるわけだ。
毎回、開けても暮れてもこのパターンなのだが、何度見ても「飽きない」し「胸がすく」のが『水戸黄門』の不思議な魅力なのである。
…と思っていたが、最近、とうとう私もひねくれてきたのか、このラストシーンを見るたび、文句を言っている。
こらしめてやりなさい?
って誰を?
こらしめるのは悪代官であって、その家臣ではないだろう。むしろ家臣は気の毒ではないか。
助さん、格さん、もういいでしょう?
って、こらしめる前、初めから印籠を出せば、無駄な血を流さずともすむではないか。
その血も、悪代官のものではない。あくまでも家臣の血だ。
いや、待てよ。
このドラマ、そういえば血は一滴も流れていないんだった。
っていうか、1時間、まどろっこしいことをしなくても、初めから「わしは水戸光圀である」と名乗って出れば、余計な斬り合いはしなくても済むではないか。
……などなど、文句を言うなら見なければいいだけの話だ。
それでも、『水戸黄門』シリーズを見つけるとついつい見てしまう私も矛盾しているな。
矛盾より スカッとするのが いいのよね
鞠子