職場で資料を探していたら、かなり前に使った芳名帳が出てきた。
そうだ、思い出した。
私がここに勤めだしたころ、企画した行事にお見えになった来賓の皆様には、受付で必ずこれに社名や名前を書いてもらっていたのだった。
出てきた芳名帳は和紙でつくられた粋なもので、中には行政や金融機関など、10名以上の方々が記帳していた。
それが、全員が全員、いわゆる「超達筆」なのである。
それぞれ特徴やクセがあるが、それもまたものすごく味わい深く、何か久しぶりに「漢字の美しさ」を再認識した。書いた人を誰一人覚えていないが、こういう字を見ていると書いた人はさぞ教養があるのではないか、とまで思ってしまう。
ところで、
アサヒグループがサイバー攻撃を受け、甚大な被害を出した。
2、3日前、新聞にお詫びの一面広告を出していたのだが、下方にグループ会社5社の社長が自筆でサインをしてらした。
うーん、ま、こちらは横書きということもあるけど、やっぱりちょっとね。
職場で見た芳名帳の文字とは全然違う。あの字で書かれたら、うんと説得力があるのにな。
今や手書きで書くということが激減してしまったから。
やっぱり味わい深い文字を書く人はいい。憧れる。
文字1つ お詫びの度合いが 上下する
鞠子