年とともに「睡眠の質が低下する」とよく言われる。
この「質の低下」を、私はずっと「ぐっすり眠れない」ことだと思っていた。なかなか眠れないとか夜中に何度も目が覚めるとかで、例えば8時間眠っても8時間ぐっすり眠っていないということだと。
だが、質の低下には、別の要素もあると最近実感しだした。
「寝ている間にうなされる」のである。
夢を見てパッと目が覚める、もしくは、飛び起きてしまう。
ものすごく怖い体験をしたため、そのトラウマが原因、というなら分からなくもない。
でも私の場合、そういう体験は思い当たらない。
それなのに、夢の中で「崖の手前であと一歩踏み出してしまう」「遮断機が下りている踏切に入ってしまう」「飲んではいけないものを飲みこんでしまう」といった命がけのものから、「仕事が間に合わない」「目的地にたどり着けない」「宿題がやってない」といった日常のしくじりまで、大ピンチに直面する。
そのくせ、飛び起きる直前まで、「これは夢だから大丈夫」と思っている自分もおり、自己矛盾を起こす。
この一連、睡眠にとっては相当なストレスであり、質の低下を及ぼしているに違いない。
と同時に、睡眠量の減少にもつながっている。
さっき、「思い当たるトラウマはない」と言い切ったが、私自身、もしくは私の前世において、トラウマとなり得るような出来事、あるいはやらかしがあったのかもしれないな。
意識していないだけで。
ぐっすりと 眠ったままで 逝けたらな
鞠子