知人が「家でバトルが勃発した」と興奮気味に話し出した。
夏休みの宿題がまだ終わっていないのに、小学校低学年の孫がゲーム三昧なのだそうだ。
だが、バトルのきっかけは、その「孫」ではない。
孫の親、つまり娘夫婦に対して、知人は激怒しているのだ。
そもそも、夏休みの計画を立てるときから、「ゲームを1時間してから勉強する」としたことに疑問を抱いていたが、祖母という立場上、そこは黙っていた。
ところが、フタを開けてみたら、まずゲームが1時間で終わらない。強制的に終わらせて机に向かわせても、心ここにあらずで、ちょっと目を離すとゲームをしているらしい。
知人曰く「普通、”勉強をしてからゲーム”でしょう。なのに、自分(←娘)の都合に合わせて、ゲームを先にした」。つまり、娘さんが自分の仕事に専念しなければならない時間をゲーム時間にしたらしいのだ。
知人の怒りはそれだけではない。
気がついたら、娘と孫、時には娘婿も加わって「3人でゲーム三昧」なんだとか。
さらに知人曰く「本当は外遊びをさせるべきなんだけど、こんなに暑くては無理。家にいたらゲームばっかり。親がそれを助長しているなんて、どうかしている」、そして「ときどき、孫が”おばあちゃんもやろう”って誘ってくれるんだけど、私は全然ヘタで、孫がうんざりした顔をする」。
そして「室内でできる運動をさせるべきでしょう。だから子ども向けの卓球台がスポーツショップに売っているので”買ってきて”と頼んでいるのに、娘たちは全然動こうとしない」とまで言い出した。
このパターン、いまどきの家庭ではよくある話なんだろうな。
大人も子どももゲーム沼から抜けられない。
私もそれ、すごく危機感を感じる。
だけど一方で、この件も含めて知人の孫に関する話を聞いていると、彼女が娘夫婦の子育てに踏み込み過ぎではないかという気がしないでもない。娘夫婦にしたら、「いちいち口を出すな」と反発を覚えて逆効果となっているのではないだろうか。
私が知人の立場だったらどうするか。あるいは娘の立場だったら……。
他人の家のことで、どうでもいいことなんだけど。
どっちの気持ちもわかるからタチが悪い。
いずれにせよ、私がこの手のトラブルに一切煩わされないお気楽生活を送っていることは間違いない。
孤独より 自由を勝る 我が人生
鞠子