いつも行くマックスバリュに、「お客様からの声」を貼る掲示板がある。
なにげに見たら「私は聴覚障害者です」という書き出しが目に留まり、思わず読んでしまった。
私は聴覚障害者です、の次は、いきなり、「もっと配慮のある対応をしてください」だった。
以降、ハガキ一枚分くらいにびっしりと、この店の対応はなっていない、もっと配慮しろ、なぜできないのか、おかしいじゃないか、とクレーム延々。
店内で、よほど嫌なことがあったのだと思った。
…だがしかし、一体、何があったのか、全く分からない。こう書けば、店側は「あ、あのことだ」とわかるようなことだったのだろうか。
…だとしても、わからない可能性だってある。あるいは、気づいていない可能性だってある。
私の仕事でもそうだが、クレームのような「マイナスの事項」を伝えるには、それなりの知恵がいる。
とにかく怒りをぶつけたいときももちろんあるが、一呼吸おいて考えてみれば、望むのは「改善」であるわけで、そのためにはマイナスの事項を的確に、冷静に伝えなければ始まらない。
感情的にまくしたてても、何も解決しない。
…と思うのだが。
この聴覚障害者の方も、何がどんなふうに配慮が足りなかったか、もう少し具体的に書いてほしかった。
そうしたら、私も一緒に考えた。
もちろん、この件に関しては何の助けにもならないが、いつかどこかで聴覚障害を持つ人への私自身の対応が変わったかもしれないから。
負の感情 言うも言わぬも 心病む
鞠子