職場から行かされる生活習慣病健診。
の中に医師による診察がある。
首回りがチェックされ、前面・背面、聴診器が当てられ、おなか回りを探られ、測られる。
今回、とても元気な女性医師が担当だった。
いつものよう一通り診察された後、「最近、気になることはありますか」と尋ねられた。
最近、気になること。
医師は当たり前のごとく尋ねたし、これまでは私も当たり前のこととして聞いてきた。
だけど年々、これは「非常に答えにくい」そして「簡単には答えられない」質問だと思うようになった。
毎日、気になることばかりなのである。
それも、日々、頻繁に変わるし、日々、経験したことのない症状が現れる。それも、言葉でなかなか表しにくい症状だったりする。
日によって、腰が痛かったりひざが痛かったり、何となくだるかったり気が重かったりする。夜、ひどく足がつった日があるかと思えば、食欲が全然ない日もある。
どれも気になると言えば気になる。だからといって、全部並べるわけにもいかない。「何もありません」というのもウソになる。
なので、迷った挙句、今一番気になっている症状を言ってみた。
鞠「舌の真ん中あたりが荒れた感じでざらざらするんですけど」(←と言ったものの、私自身、この表現がぴったりだとは思えない。不快感をうまく表せない)。
女性医師「え!舌! 舌はよくわからない」
そして「うーん、耳鼻咽喉科か歯科か‥‥‥」
鞠「歯科は定期的に行っています」
女性医師「そこで聞いてみた?」
鞠「いえ、ざらざらに気づいたのは2、3日前からなので」
女性医師「じゃあ、ま、大丈夫でしょう」
…って結局、何の解決にもならなかった。
いや、先生が悪いのではない。
年を取るということは、こうして小さな違和感、不快感がいくつも積み重なり、それを解決するのは困難だということだ。つまり、少々の違和感、不快感は耐えるしかない、ということだ。それが重篤な病の前触れかどうかを察知するのは、もはや運としか思えなくなった。
皮膚の下 寿命つくまで 動く臓
鞠子