パン屋さんの店先で、ハイ・ファイ・セットの懐かしい曲が流れていた。
『燃える秋』
すごく久しぶりに耳にした。
その当時も感動したが、今、改めて聴いたら、泣けるほど感動した。
山本潤子さんの声。
なんて透明感のある穏やかでつややかな美しい声なんだろう。
曲がりなりにも長いこと、バッハとかハイドンとか歌う場にいたせいで、かつ音楽を学んできたトモたちに恵まれたおかげで、「声」そのものについていろいろ学ぶ機会が多く、「耳」はそこそこ肥えている、と思う。
オペラ向きの声、演歌向きの声、日本歌曲向きの声、民謡向きの声etc.etc.
山本潤子さんの声は、なぜだろう、そのどの分類にも属さない気がする。
声そのものが「宝」みたいな。
のどの不調でしばらく休養してらしたみたいだが、いずれにしてももう70代後半。
今はどんなお声でうたっていらっしゃるのだろうか。
歌声に 遠きあの日を 思い出す
鞠子