ジュリーの災難 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

『ジュリーの災難』という映画を観た。

ポスター等に、「この男が世界中の映画祭を席巻!」とか「第二の人生は、中国警察のスパイ」とか「自身に降りかかった驚愕の事件」とセンセーショナルな文言が並んでおり、つい観る気になってしまったのである。

 

主人公・ジュリーは、中国人。長年アメリカで暮らしている。

結婚し、息子が3人いるものの、後に離婚。定年退職した今は、つましく一人暮らしをしている。

まじめに働き、息子たちのためにコツコツとお金をためてきたが、別れた妻は派手で浪費家。

5人はときどき一緒に夕食を取ったりするが、ジュリーはどうにもふがいない。息子たちも、今一つ。母だけが、生き生きと豪奢に暮らしているように見える。

 

そんなジュリーに、中国警察から電話がかかってきた。

国際的なマネーロンダリング事件の容疑者になっているという。

逮捕して中国に強制送還すると言われ、「それが嫌なら、中国警察のスパイとして捜査に協力しろ」と。

でもこれ、いわゆる詐欺だったのである。

容疑者になっているのも逮捕も強制送還も、全部作り話。詐欺グループは、こんな手の込んだストーリーをでっちあげ、それはそれは巧妙にジュリーの全財産を奪い取る。

 

確かに「驚愕の事件」ではあるが、正直、はしごを外された気分大だった。

驚愕の事件とは、善良な一市民が一流のスパイに変貌を遂げ、地下で暗躍することだと思っていたからである。

中国なら、こんなふうに人生を狂わせられてしまう人も少なからずいるに違いないと思っていたからである。

 

丸裸になってしまった人にこんな残酷なことを言っては申し訳ないが、つまり「ありふれた詐欺」の実話だった。

まあ怖い話ではあることはまちがいないが。

ラスト、だまされた彼を見捨てない家族、こうなったことで結束が固まった家族に救われた気分になったが、これもまた、ある意味ありふれたプチ・ハッピーエンドでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

さみしさと 不足につけ込む 悪ばかり

鞠子

 

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